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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■初めての……。
暴走行為自体のバカさ加減は今更言うまでもないんだけれど、「ドラえもん」鳴らすバカっぷりはまた一つ上を行っている。バカに対して、スタイルとか、ありようとか、そういうものを求めたってムダだということはわかっちゃいるつもりだけれども、仮にも反体制、反社会的行為を標榜する暴走族が、そんな軟弱なことして、みっともないとか、ダサイとか、全然感じなかったのか。仲間の誰も「何鳴らしてやがんだ、ふざけんな」とか言わなかったのか。
この「似合わなさ」に本人たちが気付いてないってのが何だかなあ、なんであるが、既に現代の暴走族は、一昔前の行き場のない若さの情熱の爆発とか、そんなイメージとは無縁になってるのだ。「だってオレ、ドラえもん好きだも〜ん」ってなノリなんだろうね。やっぱ「珍走団」と呼んであげるのがヤツラにゃ「似合ってる」んじゃないか。
こう立て続けだと、気が滅入ってかなりイヤになってくるのである。
俳優の中谷一郎さんが、昨1日、咽頭がんのため死去。享年73。
『水戸黄門』の風車の弥七のイメージが強すぎるようになってしまったが、まず俳優座の舞台役者であり、映画ではこの人もまた岡本喜八組の一員であり、その役の幅は広い。ついこの間もCSで『いのちぼうにふろう』に出演していたのを見たが、卑劣な同心役で弥七のカッコよさとは似ても似つかない。もちろん「名優」と呼んではばかることのない一人である。渥美清を「寅さん」としてしか認識しなかったのと同じように、こういう人を「弥七」としてしか見ようとしないエセ映画ファンが、日本の映画・演劇シーンをダメにしていったのである。もちろん、イメージでしか役者を見ようとしないマスコミの愚劣さも輪をかけて悪い。訃報も全部、「弥七死す」ばかりだ。弥七は死んでないだろうが(`´)。
中谷さんの印象深い映画の出演作を挙げていくと、たいていが岡本監督作品ばかりになる。『独立愚連隊』の石井軍曹、『戦国野郎』の銅子播磨、『ああ爆弾』の矢東弥三郎……挙げていけばキリがない。遺作も岡本監督の『大誘拐』だった。
04月02日(金)
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