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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■四月馬鹿さ。
エイプリル・フールだけれど、粋なウソってのが思いつかないから正直に行く。
で、正直な話、日本人に四月馬鹿は不必要なんじゃないかと、昔から思っている。それは日本人にマジメ人間が多くて、ジョークを解さないから、ということではなくて、本人はジョークのつもりでホラ吹いても、センスのないやつが圧倒的に多いから、寒くていたいオヤジギャグにしかならないからである。
……あのさ、「今日、あの山んとこにUFO飛んでたの見たよ」って真顔で嘘つくやつ、ホントにいるんだよ。これがジョークになってると思い込んでる神経がもう、私には信じられませんがね。それから、○○というスターのファンに向かって「○○が死んだよ」とウソつくやつ。もう、根性が心から腐ってるよな。藤子さんの『帰ってきたドラえもん』の「ドラえもんを見かけたよ」並にゲスな冗談で、一瞬ではあるけれど、そいつの脳天をぶち砕いてやりたくなる。
ブラックなギャグは好きだけれど、こういうのはブラックでも何でもなくて、ただの品性下劣な悪ふざけにすぎないのである。
で、思い出したんだけど、ン十年ほど前の四月馬鹿んときに、こんなウソをついて、ある女の子(って、当時の彼女だが)を騙したことがある。
「……ニュースで聞いたんだけど、魂の存在が科学的に証明されたんだってね」
「え? うそ! ホント?」(どうやら今日が四月一日だとは気付いてないらしい)
「マサチューセッツ工科大の研究チームがさ、ある種の電気抵抗が死んだ人の体外でも検出できるメーターの開発に成功したんだって」
「ふーん、すごい。じゃあ、やっぱり死後の世界はあるんだ!」
「……うーん、それがどうもちょっと違うらしいんだ。あまり喜んでもいられないみたいなんだよ」
「……どういうこと?」
「魂の実在は確認されたけれど、それは空中を漂ってるだけでさ。つまり人は死んだら浮遊霊になるんだけど、これって、天国にも地獄にも行かないってことじゃない?」
「ああ、そうか……」
「大変だよ、これ。天国も極楽も存在してないってことも同時に証明されちゃったんだから。キリスト教も仏教もウソだったってことになるんだからさ。ヘタすりゃ宗教戦争が起こるよ」
「……やだなあ、そんなの」
「さっき、アメリカ大統領が全世界に向けて『冷静になるように』ってメッセージを出してたよ。ローマ法王もなんかコメント出す準備してるらしいけど、ドタバタしてて明日にずれこむみたい。……ホント、戦争にならなきゃいいけどな」(と、ここで遠い眼をする)
「怖いよ、そんなの……」(と、私に寄り沿ってくる彼女)
「……大丈夫だよ、何があったって、僕は君を守るから……」
これからあとの展開は詳しく語るつもりはないが(^_^;)、“しばらくして”、ちゃんと正直に「さっきのはウソだよ」と言いました。結構怒られたけど、嫌われることはなかった。まあ、こういう“手”もあるということで。f(^^;)
しげにはこの手のウソは絶対に禁物である。それこそ「UFO見たよ」と言ったって騙されるくらい単純なやつだから、パニックにでも陥られたらあとのフォローが大変なのである。
年度初めの会議があったのだが、例のトンデモさん、もう初手からトンガリまくっている。最初の会議くらいは出てくれないことには話にならないから、ともかく席に着いてもらいはしたものの、そのあとがいけない。
「ご挨拶だけはいたしますけれども、私にも仕事がありますし、みなさんのお仕事は私にはわかりませんから、この席におりましても意味がありません」
そう言い捨てて会釈もせずに席を立ってしまった。仕事が分からないって、それじゃ、あなたはなぜこの部署にいるの。もうみなさん憮然とした表情で腕組みをしている。ああ、こんなんじゃほかの人には喧嘩を打ってるとしか思われないやんか(+_;)。
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04月01日(木)
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