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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■作りゃいいってもんじゃない映画だってある。
 一方、ヒロインで国連から派遣された分子生物学者の音無美雪役は菊川怜。「分子レベルで怪獣のルーツを探る」という設定がまたお笑い種になりそうな。怪獣のルーツなんか探って何になる? 初代ゴジラの「度重なる核実験」による突然変異、という設定以上のものを何か考え出せるのか? 「古代の超科学文明の遺伝子操作によって生まれた」とか「宇宙怪獣」とか、平成『ガメラ』のパクリになりそうな予感がまたしちゃうんだけどねえ。
 でもこのキャスト、ホントに豪華と言っていいんだかどうだか。特撮ファンは松岡や菊川が出るからって、「ふ〜ん」で終わりだと思うし、映画ファンは演技的にかなり?を感じるだろうし、誰が喜ぶんだろう、と首を傾げてしまうのである。東宝は一応、特撮ファン以外の動員も、と考えてるんだろうが、ハム太郎に群がってたおコサマと違って、松岡君や菊川怜のファンが『ゴジラ』見に来るとは限らんと思うのだがなあ。
 ともかくハム太郎のオマケはつかなくなったけれども、発想としては同じで、映画の完成度だけで勝負は出来ないと最初から踏んでるのである。殆ど唯一の自作シリーズにそんなに自信がないか。それとも何としてもヒットさせねばという焦りか。全く朝三暮四だけれど、果たして東宝の計算、当たるか外れるか。そんなことに興味持って『ゴジラ』見たくなんかないんだが。


 昨日書く時間がなくなってたんだけれど、女優の三ツ矢歌子さんが24日、間質性肺炎のために亡くなっていたことが25日になって判明。享年67で、まだまだ若い死去である。
 全くの偶然だけれど、ちょうど、二、三日前、何の脈絡もなく「三ツ矢歌子さん、亡くなっちゃうかも」と思っていた。実を言うと、ずっと以前、平田昭彦さんが亡くなったときも「平田さん、もしかしたら近々亡くなるかも」とか予感していて、それが当たってしまったことがある。三ツ矢さんのご主人、映画監督の小野田嘉幹氏は平田さんのお兄さんである。姉と弟の死を予感したことになるわけで、ただの偶然だとは思うのだけれど、少しは虫の知らせみたいなものもあったのだろうか。けれど、こういうのは当たってほしいものじゃない。
 三ツ矢さんは見た眼のふくよかさのおかげで、ドラマじゃたいてい、いいとこの優しいお母さん、といった役柄ばかりだった。それは「土曜ワイド劇場」の『京都妖怪地図』のシリーズですら同じだったのだけれど、一つだけ意外だったのが、名探偵明智小五郎シリーズ第一作『氷柱の美女』での畑柳倭文子役だった。二人の男を翻弄する妖艶な美女の役で、なんとヌードまで披露してくれる(でもどう見ても吹替え)。あれは私には完全にミスキャストにしか思えなかったのだが、それがかえって新鮮だったのか、この『美女』シリーズは延々30作近くも作られ続けた。明智の天知茂の魅力もさることながら、三ツ矢歌子の貢献度も高かったのだろう。「脱ぐ」というイメージが全く伴わない人だった。
 ここ10年くらいは舞台出演のほうが多いようで、あまりテレビでは見かけなくなっていたけれども、元気に活躍されていたものと思いこんでいた。実際、どうして急に、三ツ矢さん大丈夫だろうか、なんてふと思ってしまったのか、全然わからない。
 役者さんの訃報が立て続けである。まだまだ活躍していておかしくない人たちばかりだったことを思うと、そぞろ寂寥感にとらわれないわけにはいかない。

03月27日(土)
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