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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■トシの変わり目の大掃除。
 「回転式ドア」がいつ頃から普及し始めたか分からないが、少なくとも私たちの子供の頃にはンなもんどこのビルにも見かけたことはなかった(自動ドアだって、昭和30年代後半から40年代初頭には殆ど見かけなかったころである)。だからアレを初めて見たときには、「誰かドジなヤツが絶対に挟まれるに決まってる!」と思ったものだった。センサーが付いて人が挟まれそうになったら止まる仕掛けになってるったって、物体を感知して停止するまでにどうしたってタイムラグが生じるだろう。間に合わないことだってきっとある、そうなったら電車のドアなんかと違って、あの手のドアは重いから、人死にが出たっておかしかないと思ってたら、今回のケースが全くその通りだったわけである。つか、今回が初めてのケースじゃないだろう。
 アチラのコメディにはこの回転ドアを使ったギャグがよく出てきて、人が挟まれる、閉じ込められて出られなくなる、恋人と泣き別れになる、外に出たと思ったらまた元に戻ってるなど、その不便さがさんざんからかわれているのだ。あまりにその手のギャグが氾濫しすぎたせいで、ピーター・セラーズが『ピンク・パンサー3』でそれをやったときにはそのシークエンスがまるまるカットされてしまったくらいである(『トレイル・オブ・ピンクパンサー』で復活)。
 いったいどういうメリットがあってあんな不便なドアを設置しているのか、ホテルやビルのフロント係がそういうドジをやらかすヤツをナマで見て笑いたいためじゃないかと疑いたくもなるのだが、実際、デメリットのほうが多すぎて理由が見当つかないのである。「回転式ドアの呪い」なんてものがあって、ビルの入口はそうしなきゃならないなんて思い込みに支配されてるんじゃなかろうか。
 うちのしげもあの回転ドアを通るとき、必ずタイミングをはかって何度も躊躇しながら飛びこんでやっぱり後ろから迫るガラスの壁に追いたてられて泣きそうになって出てくるのだが、こんなアホなドア、これを機会に全国のビルから撤去しちまったらどうか。それとも全国のドア業者(と言うかどうか知らんが)、「挟まれるヤツの方がドジだ」と言い切る度胸があるか?

03月26日(金)
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