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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■入院日記3/またヘンな夢を見た
 さっきの同室の関西の人が、「肉とか魚とか、焼いたりしたら脂が落ちるでしょ、どれくらいカロリーに差が出るんですか?」と質問するが、うまく答えられない。脂が落ちるんだったら、その分のカロリーは計算に入れる必要がないから、そもそもこの質問自体が意味がないなあと思うのだが、その人続けて、「生で肉食べることはないでしょ? 調理したらどう変わるか教えてほしいんだけど」と聞いてきた。……ああ、これはただの意地悪だ。「生で食べることがない」のだから、頂いた食品交換表に載ってるのは当然調理済のもののカロリーなのである。この人、知っててわざと聞いているのだが、突然の質問にびっくりしてしまった栄養士さん、この人の悪意には気付かず、「……調べときます」と頭を下げた。
 ……いやな人だなあ。こういう人と同室ってのは、関わりあってるとツラくなりそうだ。今回は外出をなるべくしないつもりでいたのだが、一緒にいると余計なストレスが溜まりそうである。買い物だの何だのと理由を作って、昼間はできるだけ病室にいないようにしよう。


 消灯時間は9時なのだが、そんな時間に寝ていては、真夜中の2時とか3時に目覚めてしまうので、患者さんたちはみんな暗い部屋の中でテレビだけを点けて10時、11時くらいまでは起きている。見回りの看護婦さんもよくしたもので、12時までは見回りに来ないのである。
 だもんで、今週も『トリビアの泉』を見る。ネタはもう殆ど教育テレビの小学生向け番組レベルにまで落ちているのだが、「子供も見てるから」を言い訳にして、スタッフが手を抜いているのではなかろうか。
 「水戸黄門の旅、最大の遠出は鎌倉(61へぇ)」、テレビでも雑誌でも、これまで何度紹介されてきたか分らない「水戸黄門は諸国漫遊していない」ネタだけど、こんなの今更「トリビア」として取り上げなきゃならんのだろうか。背景をイラストで処理せずに月形龍之介の水戸黄門を流していたのは嬉しかったけれども。
 「韓国の『つまようじ』は食べられる(66へぇ)」。けど危険だから食べちゃダメなんだって。つまり「食べられない」のだな。これはもうちょっと表現の仕方を変えて、「韓国の『つまようじ』は(煮ると)食べられる(ようになる)」とすればよかったのである。その方が正確になるばかりか、わざわざ煮てまで食うかいというおかしみも加わるし。
 「ミツバチは巣にスズメバチが侵入すると蒸し殺す(87へぇ)」。これはまあ、表現の勝利かな。まあちとばかしドギツイけれども。
 「桜の木を切ったと正直に言った事で有名なワシントンは桜の木を切っていない(59へぇ)」。たしか元ネタが何かあったはずだ。そこまで調べてくれてたらねえ。
 「缶切りは缶詰ができてから48年後に生まれた(78へぇ)」。「48年後」がないとおもしろくも何ともない、当たり前のネタですね。ライフルで缶詰を空ける様子を見せるのは蛇足。
 「『OK牧場』は心理学用語である(64へぇ)」。正しくは「『OK牧場』という言葉は心理学用語としても使われている」だな。『OK牧場の決闘』が心理学用語から取られたわけじゃないだろうにねえ。下手すりゃスタッフも『OK牧場』ってガッツ石松が発明したと思ってるかもな。
 「『ベルサイユのばら』の舞台となった18世紀のパリはウンコだらけだった(63へぇ)」。これも世界史の授業を受けるとセンセイが必ず余談として披露するネタ。実際に『ベルばら』のコマと上田みゆきさんを使って解説したあたり、工夫はしてるが、ファンは激怒してないか。つか、激怒させようとわざとやってるな。どうも品がないことである。
 一番どうしようもなかったのが、「ラーメンに入っているなるとは鳴門のうず潮の506分の1(8分咲き)」という「トリビアの種」。なるとだって大きさは千差万別(平均取ったって意味はない)だし、渦も同様。つか、渦の直径ってどこからどこまでなんだよ。
 こんなん1000分の1の場合だって5000分の1の場合だってデッチアゲられるだろう。「ムダ知識」の「ムダ」だけあって、「知識」になってないんである。で、そんなの調べるのにわざわざ船出してメジャー渡そうなんてするなよ(-_-;)。
 たまには「おお」と唸らせられるようなの、出してもらえんものだろうか。

02月04日(水)
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