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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■文化の分化/『浪花少年探偵団』(東野圭吾・沖本秀子)/『探偵学園Q』12巻(天樹征丸・さとうふみや)
DVD『カレイドスター』の1巻を見ながら寝るが、4話収録分を見て、今んとこ面白くなりそうな要素だなあと思ったのはやっぱりフールの存在かな。ヒロインの苗木野そらにとって、ピノキオにおけるジミニー・クリケットのような「良心」となるのか、はたまただのおジャマ虫となり果てるのか(^o^)。声優さんが声優さんだけに、どっちに転んでもおかしくないのである。
カレイドステージのメンバーの声優にあびる優や大森玲子がいたけれども、ちょっと使えねえなあ(^_^;)という面があったとしても、出すなら出すで、もちっと美味しいところのある役に振らないと、ヒロインを苛めるってだけの役じゃ、ホントに使い捨てになってしまうんと違うか。それともベテランが支えて後進を育てるって麗しき伝統、声優の世界でもなくなってきてるんかねえ。
マンガ、東野圭吾原作・沖本秀子作画『浪花の熱血先生と教え子探偵団の事件簿 浪花少年探偵団』(秋田書店/サスペリアミステリーコミックス・540円)。
その昔(^o^)、NHK『ドラマ愛の詩』で、山田まりや主演で映像化された短編シリーズのマンガ化。原作小説自体読んでみたいと思いつつ、まだ見当たらないのでマンガで我慢。
一昔前に、講談社から有名ミステリをマンガ化した「コミックノベルス」なるものがシリーズ出版されてたことがあったが、ハッキリ言って、単行本1巻に原作小説をまるごと収めるのにはムリがあり、どれも原作の魅力を伝えるのには程遠い出来になっていたのには落胆させられていた。
中城健の『刺青殺人事件』(原作・高木彬光)は画面に動きというものが感じられず、名探偵神津恭介は眉目秀麗に描かれているわりにはどこかもっさりとしていたし、望月あきらの『アルキメデスは手を汚さない』(原作・小峰元)は、既に『ローティーンブルース』を描いていたころの鮮烈さを失っていた。まあ悪くない出来かな、と思ったのは古賀新一の『陰獣・人でなしの恋』(原作・江戸川乱歩)くらいのものである。
あのころに比べると、最近の原作付きミステリーのレベルアップには眼を見張るものがある。ページ数に「ゆとり」が生まれてきてるってのもあるだろうけれど、マンガ家さんたちの作画技術、演出力が格段に進歩しているのも大きな理由だろう。
沖本秀子さんの描くしのぶセンセは、ムネは山田まりやほどにはないかもしれないが、一文字にキッと結ばれた口元がぐっと魅力的である。必ずしも「名探偵」というほど頭が切れるわけでもなく、教え子たちに手助けされながらようやく事件の真相に辿りつくようなありさまだが、そこがかえって「人“情”的」でよろしい。乱歩の『少年探偵団』はやはり「東京」が舞台であってこそだが、「学校」を舞台とした大阪の少年探偵団の活躍は、こういう浪花っ子のセンセを仰いでこそ映えるんだなあ、と、この設定には感心すること頻りである。
願わくは、続編の登場を希望したいのだけれど、最終話でしのぶセンセ、……ちゃったからなあ。いやもちろん「復帰」は可能な設定なんだけれどもね。
マンガ、天樹征丸原作・さとうふみや漫画『探偵学園Q』12巻(講談社/少年マガジンコミックス・440円)。
しかしホントに天樹さん、「ダイイング・メッセージ」が好きだねえ。
『魔矢姫伝説』にも『光と影の絆』にも、どちらにもダイイングメッセージが出て来る。
もう私だけじゃなくて、ミステリの専門家がみんな指摘してることなんだけれど、この「死者の伝言」くらい、ミステリのトリックの中で不自然なものはないのである。「犯人に気付かれずにメッセージを残す」ことの困難さをどうクリアするかってことなんだけれども、結局、シチュエーションそのものを操作して、メッセージを残すタイムラグを無理矢理作らないと、お話が成り立たなくなるのである。『魔矢姫』でも、ある事情から犯人が被害者を「即死しないように殴った」ために、そのタイムラグが生まれたって説明なんだけれども、そんな器用な殺し方がそう簡単にできるかい(^_^;)。被害者が呻き声を出して周囲に気付かれない程度で、しかもダイイングメッセージを書き残そうって意識はあって、手も動かせる状態なんて、なんて都合のいい状態。つかありえるのか。
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09月25日(木)
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