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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■クノイチのミノウチ/『新天地無用!魎皇鬼』5巻(奥田ひとし)/『全日本妹選手権!!』5巻(堂高しげる)ほか
 特にエントリーナンバー100、しんがりを務める水野裕子の負けん気、根性、凛々しさには、つまらんテレビバラエティ嫌いの私が、一瞬、胸を突かれて見入ってしまうくらいのオーラまでが感じられた。プレッシャーに整った顔を歪めたり、大声張り上げたりするところなんかは、アイドルとして見た場合、マイナス要因とも言えるのだが、それ以上に、彼女が全身で表現している「やってやる!」というエナジーが、見る者を感動に巻きこんでいくのである。下手をしたら『SASUKE』の色物バージョンとしてしか見られかねない危険のあった『KUNOICHI』を立派な一つのスポーツショーとして見せられている功労者が水野裕子なんじゃなかろうか。
 ああ、こういう人こそ特撮ヒロインに抜擢して……って、そればっかりかい(^_^;)。そうだよなあ、日曜朝の特撮番組になかなか乗り切れないのも「なんでこの役者使ってんだ」ってコンセプトの見えない部分が大きいからなんだよなあ。


 『トリビアの泉スペシャル』、10分延長の拡大版だけれども、特にネタが増えた印象がない。
 つかねえ、今回の「種」なんか、凄い不快感感じるんだけど。
 動く歩道を一流のスプリンターが走ったら、どのくらい速くなるものなのか? という実験なんだけど、そのためにわざわざ連れて来てるのがベン・ジョンソンなんだよ。正直な話、私はこの結果が出たとして、それがどういうトリビアと認定されるのかが全く理解できないし、そもそも番組スタッフが何をしたいのかも分らない。
 「動く歩道」なんて、あんな走るのに全く適してない場所を走らせたところで、記録が出るはずがないなんてことは初めから解りきってる(トリビアの種に送ってきた投稿者もドアホウだ)。スタッフだって、仮に好記録が出たとしても、それが記録としては何の意味もないことは承知の上でやってるんだろう。わざわざ一流のスプリンターを呼んで走らせて、「ホラ、記録は出ませんでした」って笑いたいんだったら、最初から「冗談がわかる」人に依頼しないとシャレにならない。
 ベン・ジョンソンは40歳になろうとする今もなお陸上復帰を夢見てトレーニングを続けているとか。そんなの無理だよと誰もが思ってはいても、かつての彼にまつわる出来事を思い返せば、そう簡単にそのことは口に出せまい。そんな彼にこんな「冗談企画」を持ちこんだ時点で充分シツレイだとは思うのだけれど、もしも彼が「本気で」記録を出すつもりだったとしたら、スタッフは彼にとてつもなく酷い仕打ちをしたということにはならないか。それとも金メダルを剥奪されるようなやつには何をしてもいいって言いたいのか?
 結果、ベン・ジョンソンは、動く歩道の上100メートルを、10秒越えて走ったのだが(それだけでもトシを考えれば充分スゴイのだが)、記録を見たあとで「ここじゃなきゃもっと速く走れた」といかにも悔しそうに呟いていた。その様子を見る限り、やはりマジメに記録を出してやろうと思っていたんじゃないかという気がどうしてもしてしまう。会場はねえ、それ聞いて笑ってたけどさ(笑い屋さんかもしれないが)、「笑いものにしよう」という意図がミエミエのシチュエーションで、あえて笑えるものか? こういうのを、悪趣味とギャグセンスを混同してるってんだよ。
 タモリはこの「トリビアの種」に「満開」をあげていた。気休めにもならないだろうけれど、せめてそれくらいはしてあげないと、って気持ちになっちゃうよね、ホントに。

 特撮ネタ、アニメネタはマニアの突っ込みが激しいからなのか、最近はあまり目立たなくなった。「ウルトラマンと仮面ライダーは握手したことがある」ってのも今更なネタだけれども、これがトリビアとして通用するということは、オタクがいくら一般人化しつつあるとは言っても、世間知から言えば「そんなもん見てるやつはヘン」と思われてるってことでもあるのだ。つか、イタいオタクって、知識が偏ってるだけなんだけどね。「アニメや特撮のことに詳しい」人と、「アニメや特撮のことしか知らない」人とじゃ、そりゃナカミが違って当然。

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09月24日(水)
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