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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■土の下には虫くらいいます/映画『からっ風野郎』/『地震列島』
 今日は職場の草むしり。日当たりがいいのか、草の種の吹き溜まりにでもなってるのか、年に数回、総出で除草しないと、建物がマジで草に埋もれてしまうのである。まあ、OVAパトレイバーの第1話を思い出していただければイメージは掴めましょうか。
 草を引き抜いてると、そこから当然、ミミズだってオケラだって出てくるのだが、まあ女の子が悲鳴を上げること上げること。ムカデやクモは特に「刺される刺される」と逃げ惑っている。ムカデはともかく、このあたりのクモが刺すかあ?
 女の子の一人に「そんなに虫が嫌いかね」と聞いたら、「嫌いです!」と言って私をキッと睨んだ。いや何でそんな憎悪の目で私を見るか。私が虫をけしかけたわけじゃないぞ。
 「蟋蟀とかはかわいいでしょ。ほら、コロコロ鳴いてるし」
 「鳴いても虫です!」
 まあ、そりゃそうだ。
 「聞いてくださいよ、うちのおばあちゃんなんか、ゴキブリを足で踏んづけるんですよ!」
 そう言われても昔の女性はみんなそんなもんなんだがなあ。おかしなもんだよねー、女性解放のフェミニズムがどうのって声が大になればなるほど、現実の女性はどんどん男に甘えて弱くなっていくんだから。
 つか、今の女性、ホントに「土」から離れて暮らしてるんだね。汚いものは嫌いっていうの? それって誰にでもはっきりわかる偏見なんだけど、普通思っても口には出さないんだけど、そういう羞恥心も消え去っちゃったっていうのかね。
 こういう女性ばかり見てたら、映画としては面白くないけれども、農村に嫁ぐ女性を描く『おもひでぽろぽろ』を作りたくなる高畑勲の気持ちもわからないではない、と思ってしまうのである。


 CS日本映画専門チャンネルで増村保造監督・三島由紀夫主演の珍品『からっ風野郎』。
 珍品とは言ったが、それは主演が三島由紀夫だからと言うだけのことで、映画自体はごく普通のヤクザ映画である。昔見たときには三島由紀夫の超大根演技に呆然としちゃったもんだが、水野晴郎を知ってからはこれでも随分マシに見えてしまうのだから長生きはするものである。
 でもやっぱり酷いな、三島由紀夫。たとえて言えば、田中邦衛の口マネをする加山雄三なみに大根。増村保造にこってり絞られたとの話ではあるが、それでもこれが限界でしたか。だって「芝居してます」ってのがセリフからも仕草からも見え見えなのがねえ。どの映画評を見ても誉められてる例を見たことがないが、
 唯一凄みを感じさせたのがラストで死ぬシーンの表情なんだけれど(まあこれはネタバレさせても構うまい。こんなバカキャラが最後まで生きてるなんてことありえないから)、まるで本人の未来を暗示してるようだね。そう言えば『人斬り』でも『憂国』でも死ぬ役でしたね、三島さん。


 続けて『地震列島』。1980年製作のパニック映画だけれども、この時分にこの手の映画がやたら流行ってたのはなぜかってのを若い人に説明するのはなかなか難しい。
 1970年代中盤くらいから始まっていた、プログラムピクチュア製作から大作路線へ転換していく映画界の流れと、洋画では『ポセイドン・アドベンチャー』『タワーリング・インフェルノ』、邦画では『日本沈没』に端を発したパニックもののヒットとが丁度あいまったから、くらいの分析しかできん。
 90年代よりも70年代後半の方が、よっぽど世紀末的雰囲気は強かったのである。この流れの中で『ノストラダムスの大予言』のヒットもあったわけなのですね。
 で、この『地震列島』、昔見た当初は、いい加減パニック映画にも飽き飽きしてたこともあって、ハッキリ言ってつまらなかった。

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09月05日(金)
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