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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■謎の暗号?(^_^;)/DVD『アパートの鍵貸します』/映画『英雄 HERO』
しげはいつもこんなふうにすぐに被害者意識全開で突っかかってくるのだから、なにげないコトバもかけにくくなってしまうのである。一緒に見よう、と誘ったが、「いや」とニベもない。一緒に見てるとすぐに私が寝ちまうからだそうだ。でも今日は寝ずに最後まで見たんだがなあ。
仕事帰りにはしょっちゅう寄ってるが、しげとは久しぶりの「バーミヤン」で夕食。特別メニューの酢豚がしげの眼に入った途端、しげ思わず「ハッ!」と声を上げる。食欲がこれだけ態度に出る人間も珍しいよな。もちろん、注文したのはそれ。
そのあと、ワーナーマイカル福岡東で、映画『英雄 HERO』。
秦の始皇帝の暗殺未遂事件を題材にしてはいるが、お話自体は完全なフィクションで、登場人物も全くの架空。
秦王(チェン・ダオミン)のもとにやってきた一人の男、無名(ジェット・リー)。彼は一本の槍と二本の剣を献上し、秦王を付け狙っていた三人の暗殺者を討ち果たしたことを告げる。その功績により、無名は秦王の側、10歩まで近づくことを許される。
秦王はいかにして三人の暗殺者を倒したのかを無名に尋ねる。
「一人目の刺客、長空(ドニー・イェン)は果し合いにて」
無名は静かに答えるが、秦王はその静かさにかえって疑問を抱く。「残りの二人はどうやって討ったのか」
無名は更に答える。
「残剣(トニー・レオン)は侍女の如月(チャン・ツィイー)との関係に嫉妬した飛雪(マギー・チャン)に殺されました。飛雪はそのために動揺し、何なく私に討たれました」と。
秦王はその言葉を聞いて静かに怒る。
「長空はお前ごときに討たれる男ではない。残剣も飛雪も、愛欲に溺れて自らを失うものたちではない」
無名は答えない。
「お前はウソをついている。お前は何者だ?」
おもむろに無名は口を開く。彼が語り始めた第三の物語とは……。
二転、三転するストーリーが黒澤明の『羅生門』を彷彿とさせるが、雰囲気は小林正樹の『切腹』に近い。
ストーリーは重厚だが、チャン・イーモウお得意の原色を多用した映像は美しく、見応えは充分。けれども、最近の中国・香港映画では定番になってしまったワイヤーアクション、カッコイイことはカッコイイのだけれど、こういう歴史モノだとかえってその部分だけ荒唐無稽に見えてしまうのは失敗じゃなかろうか。これが完全なファンタジーだったりしたら気にもならないのだけれども。
特に始皇帝自身が飛んだり撥ねたりするのは、「しねーよ」と突っ込みたくなった。日本で言えば、徳川家康が真田十勇士とチャンバラやるようなもんじゃないかと思うんだが、それとも始皇帝は自身も剣の達人だったんだろうかね?
そこんとこを百歩譲っても、特撮に頼らない殺陣を見せてほしかったとは思うんである。
08月28日(木)
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