ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491684hit]

■記念日って何の/DVD『レッド・ドラゴン』
 簡単に言えば、自分が犯人だって証拠を残しまくりのレクターが、ただのバカにしか見えないのよ。『羊たちの沈黙』の時にはクラリスという更に大バカなヤツがいたからレクターのバカも目立ちゃしなかったんだが、やっぱりああも簡単に逮捕されちゃねえ。バカがいなけりゃリコウは目立たぬと言うが、シャーロック・ホームズが天才に見えるためにはやはり「ぼくのボズウェル」ことワトソン博士が必要なのである。
 その「犯人がバカ」ってのは「噛みつき魔=トゥース・フェアリー(Tooth Fairy)」フランシス・ダラハイド(レイフ・ファインズ)にしても同じなので、幼少期のトラウマが犯罪の遠因になってるとか、サイコ・サスペンスの定番な設定をああも工夫もなく提出されると、見てるこっちは気恥ずかしくすらなってくるのである。だってねえ、ダラハイド、自分の力強さを見せつけるために新聞記者フレディ・ラウンズ(フィリップ・シーモア・ホフマン)に背中のレッド・ドラゴンの刺青見せるんだよ。アンタこれ、『ねらわれた学園』の峰岸徹の「私は宇宙だ!」と変わらんがな(^_^;)。
 犯罪者ってのが何らかの形で自我肥大を起こしてるってのはわかるけど、それを抑制する知性がなかったら、探偵と犯人の理知の闘いのサスペンスは生まれないんだよね。
 あと、ヒロインのリーバ・マクレーン(エミリー・ワトソン)も、いかにもダラハイドに騙されそうなマヌケっぷりを披露しているのも興醒め。ちったあ疑えよって。

08月15日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る