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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■虚構に生きる人々/DVD『プリンセスチュチュ 雛の章』/『Go West!』1巻(矢上裕)ほか
 けれど、それは結局は欺瞞なのである。子供は天使ではない。私が「顔を公表しても無意味」というのはその点にあるので、どんなに当該少年と、「私の子」との差異を比較したところで、その子が加害者になることはない、という証拠にはならないのである。危険を含まぬ子供などいない。
 「子供を作ること自体が恐怖」。
 それは昔から変わらぬ現実だったと思うのだが。「物語」の中に生きてるのは今のオトナたちのほうだよねえ。


 アニメ『金色のガッシュベル!!』第14話「おてんばティオとアイドル恵」。
 話はもうアレなんだけど、声優さん誰かなと思って見てみたら、恵の声、前田愛でやんの。急に声優づいてきたなあ。まだまだ「前田愛だ」と言われなければそうと気がつかないくらい目立たないのだけれど、成長期なせいか、ちょっと太ってきているから、顔出しをしばらく避けるというのも手かもしれない。

 アニメ『鉄腕アトム』第14話『ミクロの大冒険』。
 フーラー博士の登場、ミニアトムの活躍、という点は原作「コウモリ伯爵(原題/ミイラ伯爵)」からの拝借だが、ストーリー自体は全くの別モノ。吸血鬼ペダン博士は登場しないし、フーラー博士は「ミニミニ博士」と名前を変更されている。“Fooler”じゃ、グローバルスタンダードにそぐわなかったんですかね。
 ウランの体内に入るという話は、非アトム作品の『吸血魔団』を原作としている。手塚ファンならよく知ってる事実であるが、この原作は旧モノクロシリーズの『鉄腕アトム』で『細菌部隊』としてアレンジされ、アメリカでも放映された。これをパクッて映画にしたのが『ミクロの決死圏』。だから今回のアニメ化は「原作を取り返した」格好になる。
 もしもアメリカの半可通なSFファンがこの回を見て「『ミクロの決死圏』のパクリだ!」とか言い出したら、「どっちが」と言い返せて面白いのだが。 


 そろそろ買ったまま見てないDVDを見ねばなるまいと、『プリンセスチュチュ 雛の章』を最終回まで一気に見る。半日がかりだ。
 おおお、あれがああしてこうなったか。
 ついに復活する大鴉。
 心のカケラを取り戻したと思われていた王子・みゅうとだったが、そのカケラはクレールの手によって、大鴉の血に浸されていた。
 大鴉の化身と化していくみゅうと。ドロッセルマイヤーの書いた「物語」のために、決して王子を守ることができない騎士と、決してその恋が報われることのないプリンセスの運命を与えられているふぁきあとあひる。
 運命を変える手段を懸命に模索する二人の前に現れた少年、あおとあは意外な秘密をふぁきあに告げ、運命の歯車を変えさせまいと、かつてドロッセルマイヤーの腕を切り落とした「図書の者たち」が暗躍し始める。
 そして自らの出自を知らされたるうは、「プリンセス」になることができないおのが運命に絶望する。
 第一部『卵の章』にも増してシリアスなストーリー展開なのだけれど、決して印象は暗くない。それはもう、愛の求道者・猫先生の捨て身のギャグ(^o^)によるところも大きいけれど、近頃のアニメには珍しく「運命に立ち向かう」キャラクターたちを本気で描いてるからだろう。
 そして全編を彩るクラシック曲の数々。『展覧会の絵』『真夏の夜の夢』『動物の謝肉祭』などなど……。もちろん、最終回、ラストを飾る曲は『白鳥の湖』。「感動」というのはこういう作品に与えてこそふさわしい評価だ。
 果たしてあひるは王子を救うことができるのか? 見るのを楽しみにしてる友人がいるので、ラストは書かないけど、最近の宮崎駿アニメよりよっぽど泣ける(つか、宮崎アニメで泣いたことはないんだが)。もう滂沱よ(ToT)。
 これはこの話で終わるとしても、ドロッセルマイヤー・シリーズとして続けることは可能だな。何年か後に「またそれは別のお話」として続けてくれると嬉しいんだけど。


 マンガ、矢上裕『Go West!』1巻(メディアワークス/電撃コミックス・578円)。

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07月13日(日)
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