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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■ちくしょう、目医者ばかりではないか/北村薫サイン会/『とんち探偵一休さん 謎解き道中』(鯨統一郎)ほか
「レーザー治療の効果がなかったら、入院して即手術、ということになります」
早いよ、それ(・・;)。
まだ、ホームページの更新も滞っているというのに(←そういう心配をしているところがネット依存)。
けれど、ここは「お願いします」と言うしかないのだ。
「えーと、で、どうすればいいんでしょうか、ベッドに寝れば……?」
「いえ、この機械にアゴを乗せてください」
えらく簡単である。
「痛くなったら、無理しないで言ってくださいね」
痛くなるのか(・・;)。
「ためしに一発、撃ってみますね」
「一発」に「撃つ」である。表現として間違っちゃいないんだろうが、もう少し患者の恐怖心を和らげる言い方ができないものだろうか。「一本、通す」とか「いっちょ、いってみよう」とか。ダメかな。
右目にコンタクトレンズを嵌められて、開きっぱなしにさせられたところに、パッ。
目の前が一瞬、まぶしくなっただけで、別に痛くはない。
「大丈夫でしたか?」
「うぇうぇ、ふぇうぃきどぅぇす」
別にいきなり言語中枢に障碍を起こしたわけではない。アゴを固定されてるのでこんな喋り方しかできないのだ。
安心したのか、主治医、パッパッパッパッパッ、といきなり機関銃のようにレーザーを撃ち始める。実際にえらく速いのだ。映画『河の女』で、ソフィア・ローレンが歌う主題歌「マンボ・バカン」のテンポくらいに速い。……たとえが解りにくくてすみません(^_^;)。
しかし、まぶしかっただけなのは最初の二十数発くらいまでで、六十発を越えるころには、光るたびに、ズン、ズン、ズン、ズン、ズン、と目の奥を頭蓋骨に押し当てられるような圧力を感じてくる。
「うう」
「痛いですか?」
「うう」
「痛いんですか?」
うう、としか言えないのだから、察してほしいものである。休憩を挟みながら、百発ほど撃ったところで、「これで一周しました」と主治医。
ヤレヤレ終わりか、と思ったら、「もう一周しますね」。
患者にフェイントかけるなあああ!
でもやっぱり私は「うう」としか言えないのであった(T.T)。
こういうときには、無意識のうちに撃たれた数を数えているもので、結局、全部で212発。主治医の話によれば、相当大きな穴が開いていたらしい。それならなおのこと、どうして前回の検査で予測がつかなかったかな。
「なんとかくっ付きましたね。これからはあまり頭を振らないようにしてください」
「それはどういうことでしょう」
「硝子体がどうしても揺れますからね。運動の類は避けてください」
「走ったりしちゃいけないってことですか」
「そうですね」
「旅行とかは」
「2ヶ月ほどはちょっと遠慮してください」
ああ、密かに目論んでいた夏コミ目当ての東京行きがこれでオジャンである。病状が悪化したら、もう上京自体が不可能になるのだなあ。
「テレビを見たり、パソコンを使うのもダメですか」
「ものを見るのは普通にして頂いて結構です。ともかく揺らさないようにして頂ければ」
「映画館に行くのは」
「うーん……」
自分でも細かいことをシツコク聞いているなあ、とは思うが、これまで目を酷使した生き方をしてきたのだから、仕方がないのである。
ともかく頭を揺らさないこと。これが一番大事だということはわかった。
これからは後ろを振り返るときは、カラダごと動かすか。なんだかヌリカベになった気分である。
薬局で目薬をもらって時計を見たら12時半。家を出たのが10時前だったから、結構時間が経っている。右目はやはりまぶしいままなので、右目をつむってウィンクした状態で歩く。
しげとは2時に天神で待ち合わせて、映画でも見ようと話していたが、どうもこの状態では難しそうだ。とりあえずまだしげは寝ているだろうから、連絡はあとですることにして、もう一つの用件があるので、博多駅の紀伊國屋に向かう。
1時より、紀伊國屋で、東京創元社の新ミステリ雑誌、『ミステリーズ!』創刊記念として、ミステリ作家・北村薫氏をお呼びしてのサイン会。
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06月28日(土)
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