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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■遠くなった人たち/『きみのカケラ』1巻(高橋しん)
 誤解する人間は何をどう弁解したって誤解するものだし、一度仲がこじれたあとで自分が間違っていたと気付いても、人はそうそう素直に謝れるものでもない。謝ったところで、そこで仲が元通りになることはなく、しこりは残る。
 私自身は心底バカなので、何かトラブルがあった相手に対してもそういうしこりが全く残らないのであるが、残るタイプの人間にはそんなことはわかりはしないのだ。それが証拠に、私のことを中傷してた人たちは、とうの昔にそれが誤解だったってことは分かってるはずなのに、未だに何のリアクションもしてこないのである。自分に対する言い訳を考えるのに汲々としてるんではないかね。
 あるいは事実でないことを脳内変換して、あたかも事実であるかのように思いこんでいるのかもしれない。となれば、そういう人たちはみんな「触らぬ神」なんだわな。疎遠なままにしておいていいんじゃないの、と思うんである。


 マンガ、高橋しん『きみのカケラ』1巻(小学館/サンデーコミックス・410円)。
 発売されてたのは随分前だったのだが、ようやく読了。
 高橋さんが体調を崩されて活動を休止しているようなので、2巻がいつ出るかは心許ないのだが、何だか本格的なSF作品になりそうな雰囲気なので、ぜひ再開してもらいたいものだ。
 副題に“LOOK FOR ONE PIECE.TO THE FUTURE OF YOURS.”(カケラを捜せ。君たちの未来のために)なんて書かれていると、どうしてもシェル・シルヴァスタインの『ぼくを探しに』を連想してしまうが、実際、そんな感じの話である(^o^)。
 高い壁に囲まれ、降り続く雪にいつか埋もれて、死ぬことを待っているだけの狭い国。ヒロインの王女(ではあるが権限は既になく、奴隷扱いである)イコロには「笑顔」が欠けている。突然「落ちて来た」少年、シロには「痛み」や「記憶」が欠けている。その「欠けたカケラ」を探しに、二人は狭い世界から旅立っていく。
 二人を追う「戦族」の3人組が、まんまドロンボーで、「ヒトガタ」と呼ばれる「何か」を追ってきて……となると、その展開はどう見ても『ふしぎの海のナディア』なんだけれども、これは冒険モノの王道パターンなんだし、あまり目くじらは立てまいよ。
 しげにはまた、「また、高橋しんなんか読んで」と言われそうだが、こういう切なげ系なマンガに惹かれてしまうというのもアレですよ、私が昔なくしてしまったココロのカケラに対する未練なんだと思って(^_^;)、お目こぼし願いたいのである。

06月10日(火)
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