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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■余裕のない日。いつもかも。/DVD『アードマン・コレクション2』
A『ピブとポグ』
「ガチャピンとムック」みたいな子供向けキャラクターショー……に見せかけた残酷アニメ。いつもナカヨシなピブとポグだけど、ちょっとしたものの取り合いからケンカがどんどんエスカレート、ノコギリ、硫酸、爆薬、大砲、気付いたら二人はバラバラに……。
設定は好きだけど、オチが『ロジャー・ラビット』だったのはちょっと興醒め。アードマンが誰でも思いつくネタでシメちゃいけませんな。
B『仮出所』
『快適な生活』と同じく、先にインタビューを録音しておいて、それに合わせて作画するパターンの一編。つまり犯罪者のインタビューをアニメ化してるんである。なんちゅーものを作るか(^_^;)。日本で言えば安藤昇とか安部譲二の語りをアニメ化するようなもんだろうが、そういう企画自体、日本じゃ成り立つまいねえ。「悪いことから足を洗ったとは言い切れないけど、今は前ほどひどいことはやっちゃいないよ」としみじみ語ってるのがリアル。好きな一編である。
C『ウォー・ストーリー』
やっぱり爺さんの戦中の思い出を語らせてアニメ化してるんだけれど、どうもこの爺さん、ちょっとボケてるらしい(^_^;)。どこまでがホントの話だか分らないが、戦時中は斜めに立ってる家に住んでたり、空襲があったら石炭室に逃げこんでたそうである。なんでそんな危険なところに(ー∇ー;)。全く、よくこんなのアニメにしようと思ったよな。
D『舞台恐怖症』
これはちゃんとしたドラマ。
内容はアードマン版『ノートルダムの傴瘻男』。犬使いの小人・タイニー(直截的な名前だ)は、映画スターの大男アーノルド(眼鏡かけてるけどモデルはシュワちゃんかね)にこき使われる毎日だったが、愛しのダフネがアーノルドに殺されそうになったとき、ついに反逆を決意する。
物語としては普通だけれど、時間が交錯する演出と、劇中映画のモノクロ映像の処理が見事。
E『ある受付嬢の告白』
またもやインタビューのプレスコアニメ。こういうのが好きなんだな、ピーター・ロード。でも、このインタビューものってどの程度真実なのかな? ちょっとヤラセっぽくもあるんだけれど。
ヤクやってるゲイに薬貰ってるみたいですけど、大丈夫ですか、あなた。この「どーでもいいことを喋ってる女」をアニメ化しよう、なんて発想も日本人にはちょっと思いつかないなあ。
「アタマが痛い」って、だったらクスリやめろよ。
F『ダウン・アンド・アウト』
救済センターにやってきた爺さんと係官とのとんちんかんなやりとりをアニメ化。ここまで来ると「世の中にアニメにならないものはない」という実験をやってるんじゃないかって気になってくるね。
これ、録音されてたこと、爺さん知らないままなんじゃないかなあ。この爺さんも、ここは救済センターだってのに「金払うから入れてくれ」なんてヘンなこと言ってるし、ちょっとボケてるみたいだ。こんなの日本じゃ人権問題に引っかかって封印されちゃいそうだよなあ。
G『バビロン』
ラストはちょっと奇妙な肌触りの諷刺アニメ。
武器商人の集う晩餐会で、今しも主賓のスピーチが始まろうとしている。
ウェイターは仕事をサボリ、会場の隅では大男が小男を苛めている。大男はなぜかどんどん肥え太り、会場いっぱいになってしまう。
「武器を売り、平和を守ることが利益を生むのだ」
スピーチがクライマックスに達したとき、それは起きた……。
暗示の意味を考えるのは野暮だからしないが、アードマン・スタジオが何を語ろうとしているのかが垣間見える一編。大男の最後まで続く不敵な笑みが印象的。
12月03日(火)
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