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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■DNAに値段ってあるのか/『源氏物語』第弐巻「帚木」(紫式部・江川達也)
さて、いつものようにしげは画面をろくに見ようとしないが、私は何か面白いものはないかと「バラエティ」とか書いてあるコンテンツを開いてみる。
「……おい、これ面白そうだぞ。『DNAの値段を計る』んだってさ」
タイトルは『りょー子先生の診療室』。いかにもいかがわしげなタイトルで、どうしても松坂慶子の『夜の診察室』を連想しちゃうな(そんなのはお前だけだ)。しげも『DNA』ってとこに興味を引かれたらしく、珍しく「一緒にやってもいいよ」と言う。
開いてみると、雑なポリゴンキャラで白衣のねーちゃんが現われる。なんかあまり面白そうじゃないな、と思ったが、「あら、いらっしゃい」と喋る声を聞いたら、これがなんと井上喜久子! エレクトラさーん♪(〃∇〃) ☆(普通はベルダンディーかな)
いきなり「名前を入力するのが遅いわよ!」と叱られてしまう。どうやら「おね〜様に叱られながら占ってもらう」というコンセプトらしい。そのあとも問診に答えるたびに、「彼女と一緒に来てるの? つまんないの」とか医者がそんなこと言っていいのかって感じの返事が返って来る。これはあれだな、一人で来てたりしたら「彼女もいない寂しい人生送ってるのね」とか毒づかれるんだろうなあ。なるほど、一部のシュミの偏ったオタクに受けそうだ。……ってファミレスにこんなの配信するのか(^_^;)。
結局私は「ビンゾコメガネタイプ」と診断されて、DNAの値段はほぼ400万円。これが高いのか安いのか分らないが、しげがやったら165円(誤字ではない)だったので、やっぱりそれなりには高いんだろう。
でも、しげって、この手の占いで人間的な価値を評価されたことってないよなあ。やっぱり誰もが認めるカスってことなんだろうな(^o^)。
マンガ、紫式部原作・江川達也漫画『源氏物語』第弐巻「帚木」(集英社/YJC−UJ愛蔵版・980円)。
「オールマン」から「ウルトラジャンプ」に掲載誌が移ってたんだなあ。事情はよく分らんけど。
「帚木」は今なら「ほうきぎ」あるいき「はわきぎ」と読むところだろうが、「母」との掛詞に使われることも多いので、「ははきぎ」と読んでほしいところである。フリガナもちゃんとそうなってるのだが、本編中、「帚」に「はは」と振って、「木」に「きぎ」と振ってるのはどうしてだ。「帚」に「ははき」と三文字振れはずはないんだが。
表紙に藤壷が出てるけど、この巻には出番がないはずなのに、と思ってたら回想シーンでの登場であった。「帚木」って女の品定めの話だから、楽しい人には楽しいけれど、つまんない人には全然退屈な話なので、ちょっした彩り程度でも、藤壷出しとこうってことなんだろう。源氏の正妻・葵上もやっぱりちょっとだけ出演。
けれど今巻のメインのヒロインは何と言っても次巻にも引き続き出演する予定の「空蝉」である。光源氏にとっては初めての人妻との不倫なんだけれど、原作ではさほどのご面相でもない空蝉を江川さんは小柄だけれど艶めかしいオトナの女として描いている。キャラクターによってスタイルも描き分けようとしている姿勢もいい(ただ、左馬頭を馬の顔に描くセンスはちょっとなあ)。
けれど、このマンガの一番のネックは、多分誰もが指摘してると思うが翻訳のヘタさだ。いや、一生懸命現代人にも感覚的にピンと来るようにしようとしているのはわかる。けれど、如何せん、人間のコトバになっていない。
「あなたの言うそのどの身分がどうだとかってことをまだわからない初めてのことなんです。というか……私のことをそこらへんの普通の男達と一緒にならべて想像していらっしゃるあなたこそヒドい。自然と耳にしたりしてるでしょう私のこと……。私が意味もなくわきあがる情欲にはまったく従わない人間であることを。前世からの運命でしょうか、本当にこのような私の非難されても当然の心の迷いを、私自身も不気味に感じるくらいまで強烈に……あなたのことを」
……日本語か? これ。こう言ったあとで空蝉とヤるんだけれど、こんな言語不明瞭な人間に犯されながら感じるというのは空蝉もなかなかのヘンタイ趣味ではなかろうか(ちゃうって)。
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10月30日(水)
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