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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■芸のためならって問題でもないんだけど/DVD『アベノ橋魔法☆商店街』3巻/アニメ『サイボーグ009完結編』
 「犯されるのも芸のコヤシ」、というのはムチャクチャな論理ではあるが、それは役者の世界において一面の真実であることは間違いのないことなのだ。彼女の行為はシロウトの行為でこそあれ、役者のソレではない。「これで自分が干されても構わない」とか決意表明のようなことを言ってるらしいが、彼女が干されるとしたら、芸能界のタブーを犯したからではなく、単に「使えねえ」役者だからだろう。今後の経緯がどうなるか知らんが、まあ水沢アキの決意に反して「レイプ? それがどしたの?」ってことで流されちゃうんじゃないかね。
 こんなこと書いてるからって、私がレイプを肯定してる、なんて誤読しないようにね。もともと反道徳的な世界の論理を、杓子定規に一般的な正論で判断しようとしたら、かえって現実から目を背けることになるよって話なんでね。これはまあ、素直に「水沢アキの売名行為(レイプも多分、彼女の被害妄想)」と捉えといて構わないと思うけど、いかがでしょうか。

 続いてもう一つの「今さら」話、荻野目慶子さんがもう十年以上も深作欣二さんの愛人だったんですって。これは水沢アキの場合と違って、著書の中で告白してるからまさしく「女優」としての活動の一環。押し倒されたとたん、思わず「カントク!」と叫んだとか、「これはもしかしたら死んだ河合義隆監督が(荻野目慶子と不倫関係にあって自殺したのである)蘇えったのではないか」と考えたとか、キテますねえ、これは(^_^;)。
 深作監督も、ガンの手術をして男でなくなるくらいなら死んだ方がマシだと、命かSEXかでSEXを選んだってんだからねえ、根性入ってるというか、いかにも深作カントクらしいというか。さすがの和田アキ子たちもこのニュースにはヒトコトもコメントしなかった。そりゃ「さいですか」としか言えんよなあ。
 で、彼女がまさしくレイプ経験を芸のコヤシにしてることは、『高校教師』や『忠臣蔵外伝四谷怪談』の狂気の演技で証明ずみ。全く、『獄門島』のころの可憐な美少女はどこに行っちゃったんだか。
 この二つのニュースが並べられてるってのは、全く妙な偶然もあったものである。役者としての軍配は圧倒的に荻野目慶子に挙げられるだろうが、実際に付き合う相手としてどっちがいいかというと、どっちも泣き寝入りしてくれないって点では同じなのである。
 しげはもちろん荻野目慶子タイプだが、もちろん襲われたのは私の方なのである(じゃあ和田アキ子じゃん)。


 せっかくの休みだし、買ったままでまだ見てないDVDを見ようと、まずは1本、アニメ『アベノ橋魔法☆商店街』3巻。
 CS放映時には見損なってた第七話『回想! 魔法商店街☆誕生』、これはこれだけで青春アニメの一編としてよくできてる。『王立宇宙軍』と言い、『ポケットの中の戦争』と言い、通じ合わない恋を描かせたら山賀博之さん、絶品だね。無駄な描写を極力省くテクニックがうまいのだ。
 どういうところかっていうとさ、夢音が好きな相手の阿倍のために弁当を作ってるわけよ。なのにそれを阿倍のところに届けようともしないで、花に黙々と水を遣っている。それを見て、若き日の雅ジイ、嫉妬してその弁当を「阿倍に届けてやるから」と言って取り上げる。夢音は雅ジイを呼びとめようとするけど、すぐに諦める。もちろん、雅ジイはその弁当を届けないで自分で食っちゃうんだが、ゴマで作ったんだか、弁当のハートマークが切ない。
 説明すると陳腐になっちゃうんだけど、もう、この時点で三人の関係は壊れちゃってるのだ。阿倍は雅ジイが夢音のことを好きだと知ってるから、一旦は関係を持ったものの、もう夢音を避けようと思ってる。夢音はもう阿倍が自分の弁当を食べてくれないと知ってるけど、それでも作らないではいられない。雅ジイは嫉妬はしてるけど、弁当をそのままにしている夢音を見てるのがつらくて仕方がないから、それを持って逃げる。夢音だって、雅ジイが自分のことを気遣ってくれてるのが分るから、呼びとめることができない。お互いに相手のことを思っているのに結局ドツボにはまっている様子を、くどい説明をせず、演技だけで示している。こういうのを「演出」というのだ。

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10月13日(日)
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