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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■また騒ぎ方が違うんじゃないかって話/『青少年のための江口寿史入門』(江口寿史監修)ほか
 「田中さんってこんな人」なんて報道、別に私ゃ知りたいとも思わないのだが、日頃プライバシーにうるさいマスコミが、やたらと田中氏の日々の生活ぶりを提供しようとするのは、これまで「異界の住人」であった田中氏の存在を、咀嚼し「こちらの住人」にムリヤリ取りこもうとする作業でもある。今は受賞の喜びに浸っているであろう田中さんが、後々周囲の「思いこみ」や「決めつけ」でかえって研究がしにくくなるような事態にならなければいいのだが。


 外食する余裕がなくなってきたので、マルキョウでおかずを買いこんで、晩飯はおかかと高菜のお握り、いかゲソの唐揚げ。糖尿だからだいたいはこの程度の食事で充分なのである。いつもやっぱり食いすぎてるよなあ。 


 マンガ、北崎拓『なんてっ探偵アイドル』10巻(小学館/ヤングサンデーコミックス・530円)。
 表紙がアキラのウェディングドレスだったからてっきりこれで完結かと思ったらただのコスプレでした(^_^;)。10巻って、『たとえばこんなラブソング』に並んじゃったよ。人気あるのかこれ(買ってんじゃん、おまえ)。
 ああ、けど10巻記念サービスのつもりか、いつも以上に巨乳度高いぞ。担当は主に莉奈とゆかり。やたらとこの二人のチチに室戸警部や清春が顔を埋めるシーンが多いが、嬉しがる読者いるのか。ヤング誌のくせにオールヌードにならないし(そういう問題か?)。
 トリックもなあ、既にトリックと言えないくらいチャチっつーか、警察がそんなこと気がつかないわけないやん、てなレベルのものばかりだしなあ。
 「お見合いトラブル編」も「お料理対決編」もそうだが、あんな自分が犯人だとバレるような状況でわざわざ事件を起こす不自然さが全く説明されてない。通りすがりに見せかけるとか、相手が一人のときに殺して逃げるとか、そっちのほうが足がつかない可能性が高かろうに。
 だから、ミステリの本道はどうしたってアリバイ崩しになるんだけど、みんな密室とかそんな何パターンしか解決の仕方がないものに拘るからねえ。はっきり言っちゃえば、密室ネタは全てポーの『モルグ街の殺人事件』とルルゥの『黄色い部屋の謎』の変形でしかないのである。よっぽどブラフのうまい人じゃないと、密室モノに手を出しちゃいかんよ。横溝正史だって、『本陣殺人事件』以外の密室モノは『悪魔が来りて笛を吹く』はやっぱり『モルグ街』だし、『悪魔の降誕祭』は『黄色い部屋』だ。
 ヘボミステリーはたいていここがダメなので、「館」ものや「島」もの(限定された場所に人が呼び寄せられるパターンね)の大半が失敗作になっちゃうのはこの点に原因がある。クリスティーの『そして誰もいなくなった』が傑作なのは、犯人も××××××からで、それ考えると、ミステリの秀作を書くことがどれだけ難しいかはわかろうと言うものだ。
 館モノの一番合理的な解決は、実は一番安易な「隠し部屋の中に犯人が潜んでる」ってことになっちゃうので、ミステリをよく知らない人間はあまり手を出さないほうがいいのだ。
 まあ、『なん探』読んで感心したり、トリックや犯人の見当がつかない人は(トリックがへボすぎてかえってわからなかったという人を除く)、間違っても自分のことをミステリファンだなどと呼称しないほうがよろしい。
 ……だったら買うなよ、オレ。やっぱりチチに惹かれてるのか?(でも好みはアキラなんだけどなあ)


 マンガ、江口寿史監修『青少年のための江口寿史入門』(角川書店・1050円)。
 二日続けてえぐちを読む。また楽しからずや(^o^)。って、彼の新作が同時に読めるなんて、20世紀、21世紀を通じて初めてじゃないか。
 と言っても実は中身は再録が殆どで初単行本化はちょっとだけなんだけどね。

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10月09日(水)
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