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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■角川+大映=…?/『楽勝!ハイパー▽ドール』vol.2(伊藤伸平)/『スレイヤーズすぺしゃるR るなてく・へすてばる』(神坂一)ほか
 コジコジがブーケを読者に投げて終わるってラストは、とりあえずはスッキリした終わり方と言えようか。ちょっと偽善的な気もするけどな。もともと何かドラマがある話じゃなし、終わるときはサラリと終わらせるのが粋というものである。
 もっとも、私としてはスージーの正体がみんなにバレた後、どんな騒動が起こるかとか、そういう話も読んでみたかったんだけど、描かなきゃならんことでもないし、これっきりで終わっていけないってわけでもない。
 今後アニメ版の脚本をマンガ化することもさくらさんは検討してるみたいだけれど、まず、いくら待っても取りかることはなかろうな。一旦、創作したものをもう一度書き直すってのは、よっぽど本人にエネルギーがないとできるものじゃないのである。誰も彼もが手塚治虫になれるわけではない(あの人だって、『バンパイヤ』『ブッキラによろしく』とか、「後で描き直す」って言ったままほったらかしたまんまの作品は多いぞ)。
 前巻あたりから見え隠れしていた宗教性は、最終巻でもオブラートに包まれた形で継続されている。半魚鳥だのヤカンくんだの、ヘンなキャラがやたら出てくるから、何となくほのぼのしたメルヘンマンガのように思われているけれど、「神」であるコジコジ以外は、みんな虚飾に塗れた人間の戯画化なんだよね。
 結局は「コジコジには無駄がない」の一言で「神」が全肯定される結末。かといって完全な宗教マンガってわけでもなく、だから目くじら立てるほどではないってことも分ってるんだけれど、どうも何かノドに骨が引っかかってるような印象で、今一つ好きになりにくいマンガであった。
 

 マンガ、伊藤伸平『楽勝!ハイパー▽ドール』vol.2/MAICA SIDE(英知出版/トラウママンガブックス・1985円)。
 解説と描き下ろし4コマ(カバーを取った表紙に隠してやがんの)が読みたいためだけでまたバカ高いもの買っちゃったよう。
 でもまとめて読んでみると、この人のパロディって今一つ薄っぺらだなあ。26話の表紙でミュウとマイカにアヤナミとアスカのコスプレさせてるけど、何か嬉しいのかね。読んでる方は「はあ、そうですか」としか言いようがないんだけど。ミサトは眼鏡外した祥ちゃんか? よく分らんキャラが多いよ。
 ほかにもやたら『ガメラ』ネタは出てくるし、こうシツコイと、自分だけ遊んでるって感じが強過ぎて白ける。でも勢いで描いてみたくなるときってあるの分るからね〜。それだけ『ガメラ』とか『エヴァ』、当時は流行ってたんだよね〜。
 今、このマンガの続編、『トラマガ』って雑誌で再開されてるんだけれど、ちゃんと今巻のラストでウママンにメシおごらせるところから続いてる。律儀と言えば律儀だけれど、フザケてると言えばフザケてる。編集部が怒るのも無理ないかも。
 作者本人が編集部に文句言ってるうちに、マンガの中身がナゲヤリになるとこなんか、まるでたがみよしひさみたいだけれど、影響受けてるのかな。欄外の描きこみの仕方とか似てるし。
 さて、まるで一般ウケしそうにないこのマンガ、作品そのものもそうだけど、雑誌自体、潰れずにいられるかねえ。
 

 神坂一『スレイヤーズすぺしゃるR るなてく・へすてばる』(富士見ファンタジア文庫・504円)。
 スレイヤーズもまたアニメ化されたら「角川大映映画」か。もういいよ。
 はい、原作小説の方も、頑張って買ってますよぉ。f(^^;)
 いつも通り、ただ笑って読んでりゃいいだけの小説だから、特に批評の必要もないようなもんなんだが、ふと気になったことがあった。
 『愛は強し』の中に、マーカスとレイチェルってラブラブなバカップルが出て来て、思い切りリナとナーガを疲れさせてしまうのだけれど、このギャグのルーツっていったい何だったろう。『クレヨンしんちゃん』にもミッチーとヨシリンってキャラがいるけど、これだってルーツじゃないしなあ。
 私はこれも吉本新喜劇なんじゃないかと思うんだけれどどうだろう。記憶だけで書くから細かいところは違うかもしれないけれど、こんな感じである。
 さっきまでケンカしていたカップルが仲直りするシーン(誰かの持ちネタと言うわけでなくたいてい新人の男女に割り振られる)。

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07月22日(月)
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