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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■金曜で〜とだ。一応/映画『マジェスティック』/『気になるヨメさん』1巻(星里もちる)/『クロノアイズ』6巻(長谷川裕一)
 しげがCD屋でなにかを探している間に、隣の本屋に行って買い忘れてた本を何冊か買うが、あとで見てみたら、もう既に買ってたやつだった。新装版だったので勘違いしたのである。最近ボケて来たのかこういう失敗が多い。ヤバいなあ。
 ゲーセンでUFOキャッチャー、今日は調子がよくて、クマのプーさんのカップや、ミッキーマウスの飲茶セットなどを立て続けにゲット。
 しげがステッカーがほしいというので、取ってやるが、相撲取りの絵に禁止のマークがついていて、「NO SMOKING」の文字。こーゆーしょーもないものをなぜ欲しがるかな。
 と言いつつ、私もガシャポンで『あずまんが大王』のカプセルフィギュア(こう呼ぶことを最近知った)を三つも手に入れてたから人のことは言えないのだが(^_^;)。


 ワーナーマイカル福岡東(粕屋)で、映画『マジェスティック』。
 フランク・ダラボン監督の映画は実は初見である。すみません、『ショーシャンクの空に』も『グリーンマイル』もまだ見てないんです。エアチェックはしてるんですけど。別にスティーブン・キングが嫌いってわけじゃなくてただの偶然です。でもこれじゃ映画ファンと名乗れませんね。

 「マジェスティック」というのは、映画中では「威風堂々」と訳されているが、本編では実は映画館の館名のことである。エドワード・エルガー作曲の軍隊行進曲『威風堂々』の原タイトルは“Pomp and Circumstance”なので、この曲を直接イメージしてタイトルを付けたってわけじゃなさそうだけれど、辞書を引くと“Majesty”にもやはり「荘重な、威風堂々とした」という訳が載っている。そう言えば、“Her Majesty”と言えば女王陛下のことで、『モンティ・パイソン』では王室関係のパロディのスケッチでは必ず『威風堂々』がBGMで流れてたから、アチラではこの二語は、関連語として認識されてるのだろう。
 もちろん、単に映画館の名前以上の意味を制作者がこのタイトルに含ませたい意図は容易に理解できる。これはもう、アメリカの民主主義をあたかも「絶対王制」の如く、声高に主張した映画であって、深読みすれば「アメリカのやることは全て正しい」と言ってるみたいで、いささか鼻白む点もないではないのだ。

 時代は赤狩り真っ最中の1951年。
 主人公はしがない脚本家のピーター・アプルトン(ジム・キャリー)。
 かつて女のシリに惹かれて(なんじゃそら)、何も考えずに共産党の集会に参加したことのある彼は、非米活動委員会から審問会に召喚される。
 ところが“偶然”自動車事故に遭い、記憶喪失となった彼は、ローソンという田舎町で、その町出身の第2次大戦の英雄、ルークと“偶然”顔がそっくりったために、本人と間違えられる。
 自分がルークかもしれないと考えた彼は、父親だというハリー(マーティン・ランドー!)の後を継ぎ、さびれた映画館、「マジェスティック」の再建に乗り出す。アデル(ローリー・ホールデン)という恋人もでき、順風満帆に見えたピートだが、委員会の調査の手はすぐそこに迫っていた。
 そして、彼の本当の記憶が戻る日も……。

 偶然がいくつも重なるご都合主義はこの映画の場合は欠点にはならない。
 これはまさしく運命の不思議を通して、生きることの意味を問う物語であるからだ。
 しかしこの映画の何が気になるかというと、これがまたヒネクレたものの見方だと指を差されそうだが、欠点らしい欠点が見当たらない点にある。
 設定もストーリーも全くと言っていいほど破綻がない。
 気取った演出も小難しい理屈もなく、俳優の演技も的確で演出も堅実、制作者の意図がこれだけわかりやすい映画もそうそうない。
 でもそれは、映画としての枠組が優れている、というだけのことだ。言い替えれば、外形さえ整っていれば(基本を押さえた映像テクニックさえあれば)、中身がカスでも映画は「名作」っぽくなっちゃうのである。

 「赤狩り」がアメリカの汚点であった、それはその通りだろう。マッカーシズムがファシズムであることを認めたというのは、アメリカが自らの罪を「反省」する態度すら持つ「民主的国家」であることを証明していると言いたいのかもしれない。

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07月05日(金)
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