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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■風邪引き第一日目/『クレヨンしんちゃん映画大全』(品川四郎編)/『ビートのディシプリン SIDE1』(上遠野浩平)ほか
 ツイ立ち読みして、カラーグラビア『青空侍』の蓮姫の凛々しさ美しさに見入っていたので、気がついたらもうしげの出勤時間が迫っていた。
 しげ、「食事もして、一度ウチに帰って風呂に入ろうと思ってたのに」と文句を垂れるが、本人も演劇コーナーで本に見入っていたので、文句を言えた義理ではない。それでも機嫌をとって、しげが欲しがった成井豊の演劇本も一緒に買ってやる。
 時間がないので、しげの夕食は仕方なくマクドナルドでテイクアウト。
 そのまましげのバイト先のリンガーハットに直行して、私はそこで食事することにする。リンガーでは私はチャンポンは殆ど注文しない。もっぱら皿うどんと餃子だけなのだが、別に何か拘りがあるわけではない。単に汁物が胃にもたれるからである。
 で、食いながら早速『クレしん』に読み耽る。店員さんはヘンな客だと思ってるだろうなあ(しげの亭主だってことはわかってるのだろうけど)。


 品川四郎とブレインナビ編『クレヨンしんちゃん映画大全 野原しんのすけザ・ムービー全仕事』(双葉社・1785円)。
 全く、皿うどん食いながら何読んでるんだか(^_^;)。
 『戦国大合戦』、当初の仮題は『青空侍』だったそうな。いいタイトルだけれど、それじゃ「クレしん」映画と認識してもらえなくなっちゃうのは必至。さすがに却下されるよねえ。

 しかし、今やすっかりクレしん映画布教委員会別働隊第一番隊足軽を自認する私であるが、第1作『アクション仮面VSハイグレ魔王』を見るまでは殆ど注目なんかしてなかったのだ。
 ただ世間では「下品なギャグで眼も当てられない」だの「子供に悪影響を与える」だの、そこまで言うか的な悪評が横行していた。それがかえって、私に興味を抱かせた。つくづく私ゃヒネクレ者だなあとは思うが、映画がテレビ放送されたのを期に見てみる気になったのである。
 昔からそうだが、親とか世間が眉を顰める作品には傑作が多い。クレージーもドリフもコント55号もひょうきん族も、当時は悪評紛々たるものだった。いつだってアナーキーなモノは良識派の神経を逆撫でするけれども、PTAご推薦のお話ばかりで世の中が成り立ってたら、こんなにキュウクツで不自由なことはない。
 ともかく見ずに批評などはできないと、テレビの前に座ったのが今思い返せば運の尽き(^_^;)。引きこまれた、なんてもんじゃない、唸りましたよ、まずはそのアニメーション技術に、演出に、ドラマに。
 のっけからアクションシーンの連続、シリアスな展開、いったいこれのどこが『しんちゃん』なんだ!?
 「うおおおお! なんだこの大胆なアングルは!? すげえぞこのアクション! 作画枚数何枚使ってんだ!? うおっ! 五段マルチ! 映画じゃないかまるで!(その通りだよ)」
 いや、マジで叫んでたからね、私。
 その様子にやっぱり当時は全く『しんちゃん』に興味のなかったしげも、「なんで『しんちゃん』とか見よん!?」と驚きながら、気がついたら一緒に見入っている。
 それから毎年、映画シリーズのビデオ録画が習慣化する。
 しかも驚異的なことに、『ブリブリ王国』、『雲黒斎』と、映画のレベルがぐんぐん上がって行く。「映画の続編はレベルダウンする」というジンクスをいともあっさり破っていたのだ。
 テレビシリーズの方も、スタッフのマニアックなパロディが爆発する回も多いことを知ってちょくちょく追っかけるようになる。何がマニアックって、『鉄骨しんちゃん』の回などはニャンチュートロ星人の侵略という、「と学会」関連のヒトしかわからんパロディまでやってのけていたのである(録画しといてよかった)。これはもう、「子供ターゲットのアニメではない」と判断するしかない。
 そしてついに『ヘンダーランド』からは映画館に足を運ぶことを決意した。この『ヘンダーランド』が、また「クレしん映画」最高傑作だったものだから、もはや病膏肓、現在に至るという次第である。

 しかしこの『大全』を読んでも感じることだが、初期4作の監督である本郷みつる監督と、現在の原恵一監督では相当その資質に違いがあるのである。

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05月22日(水)
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