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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■夢のビル・ゲイツ/『金田一耕助の新冒険』(横溝正史)
『百唇譜』の中で、作者が「金田一耕助は滅多に汗をかかない。そういう意味では冷血的なのかもしれぬ」と語っているのは珍妙な論理だ。しかし、本来、金田一は優しい人間などではない。人間は観察するだけのものとしか思っていない。事件もエログロ味の濃いものが多いし、金田一自身、自分のことを「猟奇の徒」と呼んでいる。まさしく初期の明智小五郎に近い存在なのだ。
『魔女の暦』では、事件に関わるためとは言え、浅草六区のストリップ劇場に出入りしている。しかも結構楽しんでるぞ金田一。
「目玉を奪われた魔女がめくらめっぽうまごまごしながら、いちまいいちまい脱がされていって、ストリップになるというだんどりもおもしろかった」
……仕事で来てるんだろ、おもしろがるなよ、金田一。
それにしてもこの事件の舞台になった「壽楽館」っての、どこがモデルなのかな。フランス座しか名前知らないし。
これらの短編、『獄門島』や『女王蜂』のような、ロマンチシズム溢れる作品だけを読んで、金田一を「優しく暖かい人柄の人間」と勘違いしている読者には認識を改めてもらうきっかけになるかもしれない。
これで、金田一と言うか、横溝正史について書くこともしばらくなかろうから、この際勝手に、私のベスト・オブ・横溝正史をあげとこう。
本当なら一作一作レビューしたいところだがそこまでの体力はない(^_^;)。
1 獄門島
2 本陣殺人事件
3 蝶々殺人事件
4 悪魔の手毬唄
5 真珠郎
6 犬神家の一族
7 悪霊島
8 八つ墓村
9 迷路荘の惨劇
10 悪魔が来りて笛を吹く
11 びっくり箱殺人事件
12 白と黒
13 病院坂の首縊りの家
14 仮面舞踏会
15 女王蜂
16 髑髏検校
17 夜歩く
18 不死蝶
19 迷宮の扉
20 三つ首塔
次点 悪魔の降誕祭
1 蔵の中
2 鬼火
3 面影草紙
4 探偵小説
5 百日紅の下にて
6 車井戸はなぜ軋る
7 蜃気楼島の情熱
8 首
9 鴉
10 黒猫亭事件
11 蝙蝠と蛞蝓
12 湖泥
13 かいやぐら物語
14 あ・てる・てえる・ふいるむ
15 上海氏の蒐集品
16 女怪
17 幽霊座
18 人面瘡
19 暗闇の中にひそむ猫
20 山名耕作の奇妙な生活
次点 金田一耕助の冒険(短編集)
番外(エッセイ)
真説・金田一耕助
探偵小説五十年
03月06日(水)
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