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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■アホがアホを教育したってねえ/アニメ『七人のナナ』第7話/『鉄鋼無敵科学大魔號改』(唐沢なをき)ほか
ノストラダムスの大予言を外した連中が新たに解読をし直して平然としてられる神経はなんなのか。
これが単に出てる外人たちがのきなみアホだってんならまだいいんだが、そういうキテレツな言動で視聴者を面白がらせてるつもりなら、芸としてはちょっと低劣すぎないか(この「低劣」というのは番組自体が「下らない」とか「下劣」という意味ではなく、製作者が視聴者のレベルを低く見積もってるって意味である)。
ま、終わる番組だから別にいいけど。
夜、チャットをしていてマンガ家のねこぢるさんの話題になる。
マンガ家の死に方でどうにもやりきれないのは、自殺と過労死だと思う。チャットでは自殺の原因はラリってたからじゃないかと推測されてた方がいたが、ラリってても死にたくなる人とそうでない人はいるだろう。
夫のねこぢるyさんがそのあたりの事情を黙して語らぬだけに、何となく推測することも憚られるが、あんなに世間の悪意に敏感な人は、自分自身の悪意ゆえに死の道を歩むこともあるのだろうか、という気がしている。
憎まれっ子世に憚るではないが、世に永らえる者の多くは、自分自身の悪に無自覚であることが多い。それを我々もまた気付かずに「善人」と呼んでいるのだ。
世の中、もちっと悪人が増えててくれたほうがいいんだがな。
夜から雨が降る。
本を買いにブックセンターホンダへ。
今月、やたらとモノイリがあるってのに、本ばっかり買ってていいのか。む
マンガ、唐沢なをき『鉄鋼無敵科学大魔號改』(講談社・735円)。
タイトルだけだと見逃しちゃいやすいんだけれども、『鉄鋼無敵科学大魔號』の続編。だから「改」なわけだね。
この「改」って、やっぱりルーツは『紫電改のタカ』あたりになるんかな。若い読者(いるんかそんなん)のためを考えると、この「紫電改」についても詳しく述べねばならんのだろうが、そんなん原稿用紙100枚使っても書ききれんわ。日本海軍の戦闘機の名前だということだけ知ってもらえりゃ、とりあえずタイトルからして唐沢さんがレトロなイメージを持ちこもうとしてるんだなってことがわかるであろう。
だいたいこの「大魔號」のデザイン自体、大阪万博で公開されたロボット「信介くん」をモデルにしている(現在は「ゆうばりロボット博物館」で見られるとか)。『オトナ帝国』のずっと以前に、「万博」をキーワードにしたマンガをさりげなく描いてるあたり、唐沢さんの着眼点のスルドサが感じられるね。
……こうやって唐沢さんのマンガのもとネタ探しを始めたら、それだけで原稿用紙四百枚くらいかかってしまうのでやらないが(せめて「少年キッド」のもとネタが武内つなよしの『少年ジェット』で、「これはトクダネだわ!」の淀川ゆにこが『ウルトラQ』の江戸川由利子だってことくらいは解説せんでもわかってほしいんである)、もちろんネタがわかんなくったって面白いものは面白い。
あ、でも、東宝特撮映画『海底軍艦』を先に見てると、今回は面白さが倍増するかも(^^)。
レトロなモノが往々にして「ヘンテコ」に見えちゃうのは、その時代の価値観は、ほかの時代から見たらいつだって「ヘンテコ」だからなんであって、だったらそういうのを全部集めてもっとヘンにしましょ、みんなヘンならええじゃないか、という絶対平等の愛で唐沢さんのマンガは貫かれているのだ。だから楽しい。
あっ、でも関西ネタで間寛平の「あへあへ」をさせてたのはポーズが違うぞ。しかもネタ的に吉本新喜劇が東京進出した十年前以降のネタしかないもんなあ。「このへんでカンベンしといたるわ」も池乃めだかのネタだと思ってんじゃないかなあ、唐沢さん。あれ、もともとは花紀京のネタなんだが。
だいたい、「誰がカバやねん」の原哲男に触れずして吉本を語ってはならぬというのは吉本フリークの鉄則である。「船(せん)・場太郎です」も「いっいっいっいっいっ(木村進)」も「やめなはれ、やめなはれ、やめなはれ……やめろっちゅーとんのが○×△□……!(山田スミ子)」も唐沢さんはご存知ないらしい。
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02月21日(木)
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