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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■ニンニクの家/映画『がんばれ!ジャイアン!!』/『キノの旅V』(時雨沢恵一)ほか
みんなに散らばったジャイ子の原稿を集めてもらったけれど、3枚足りない。けれど、ジャイアン、「全部そろったよ」と嘘をついて、ただ一人、雪の降る街を原稿を探しまわる。確かに感動的なシーンではあるけれど、この「自分の力で誰にも頼らずやらなきゃ」っての、『帰ってきたドラえもん』のときののび太をジャイアンに移殖しただけだし。っつーか、このパターン、『ドラえもん』シリーズではあまりに多すぎて、今更映画でこのネタ使って感動呼ぼうとするなよ、とちょっと腹立たしくなるのだ。
しかも今回は、原作の藤子マンガがあるにもかかわらず、改めて「映画用の原作マンガ」まで藤子プロに描かせている。……それは、違うんじゃないの?
だから、確かにアニメとして佳作なのは認めるけれど、たとえて言ってみれば、「『ルパン三世 カリオストロの城』って、面白いけど、モンキー・パンチのルパンじゃないよね」ってのと同じ感想を抱かざるをえないのだ。
でも長編シリーズに比べりゃもう、はるかにスバラシイ。
長編もオリジナルやるんじゃなくて、他の藤子作品をベースに「ドラえもん化」するとかさ。そういうこと考えてくれた方がまだいいな。ほら、『UTOPIA 最後の世界大戦』とか『海の王子』があるじゃんかよう。
やれよシンエイ動画。
岡田さん、『BSマンガ夜話』に出たときに藤子さんをフレドリック・ブラウンに例えたりしてたから、『ドラえもん』の原作、結構読んでるはずなのに、実のところ思い入れは少ないんじゃないかなあ。まあ、褒めてもらってるんだから嬉しいんだけど(って、自分が藤子ファンの代表みたいな言い方してんじゃねえよ)
時雨沢恵一『キノの旅V ―the Beautiful World―』(メディアワークス/電撃文庫・535円)。
オビに「一応言っとく ――さよなら。」なんて書いてあるから完結編かと思った。読んでみると別にこれで終わりってわけでもないみたいね。もっともいつどこで終わってもおかしくないシリーズではあるけど。
ああ、しかしこのセリフが出てくる第四・五話の『英雄達の国』……作者、思いっきり遊んでるんだよなあ。
2話連続のこの話、もうサブタイトルが“No Heroes”“Seven Heroes”ってなってるの見ただけで、私なんかは、ああ、と思っちゃったんだけど、もう若い人にはなんのことだかわかんないんじゃないかな。
キノが訪れた廃墟の町。
しかしそこには「人」がいた。そして、キノはいきなり銃の襲撃を受けた。
身を守るために応戦するキノ。
一人……また一人、敵を倒して行く。
七人。
そして最後の敵を倒したとき、その男は言う。
「俺たちは英雄になれなかった……帰って来たらみんないなくなっていた……せめて最後ぐらいは英雄として……」
そのあと「勝ったのは俺たちじゃない、村人たちだ(いなくなってるけど)」とか言い出すんじゃないかと心配しちゃったよ(^_^;)。
つまり時雨沢さん、「キノVS荒野の七人(あるいは七人の侍)」がやりたかったんだね。
禿頭の男。
背が一番低い男。
口の回り中髭の男。
筋骨たくましい大男。
帽子を深くかぶった男。
痩せて長身の男。
大きなリュックを背負った男。
もう歴然としてるよな(^_^;)。
でも生き残るやつが誰もいないのが作者の皮肉なんだろうか。
第八話「用心棒」に出て来た「師匠」ってのは、キノの師匠の若き日だろうか。それともまさか成長したキノ?
こうやって伏線張った以上、『キノの旅Y』はちゃんと書かれるのだろう。次作をまた期待したい。
マンガ、鬼頭莫宏『なるたる』8巻(講談社・530円)。
中学生編が始まって、暴力シーンやえっちシーンも増えてきたかな、と思われる『なるたる』だけれど、鬼頭さんの絵、一般的に言われている「暴力マンガ」のイメージ(まあ、原哲夫あたりを想起してください)とは程遠い。
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02月15日(金)
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