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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■エロに偏見はありません/『伊賀の影丸 邪鬼秘帳の巻(上)』(横山光輝)
それだけかい。でもまあ、それだけのことでちょっと会おうかってなれるのがトモダチってことなんだろうなあ。
でも付き合うのはいいのだが、其ノ他くんちは実はすごい山の中にあるのである。街灯もまばら、目標ブツはなし、果たして初心者のしげに辿り付くことができるのかどうか。
鴉丸嬢がナビをするのだけれど、これがまた凄まじい。
「そこまっすぐ行ったらあ、左に看板っぽいものがあるからあ、そこの道らしいところを曲がってえ」
「看板っぽいもの? 道らしいところ?」
「多分病院か何かの看板なんだけどぉ、ほっそ長いの。で、道があるんだけどぉ、奥の方にあってわかりにくいの」
なるほど、実際そのあたりに行ってみると、道の左脇が横に広がって広場のようになっていて、その奥に看板と細道が出ている。でも「ぽい」とか「らしい」とか、もちっとわかりやすい説明ができないものか。
ともかく、なんとか十数分かけて其ノ他くんちに到着。
其ノ他くんは仕事から帰ったばかり。ひとっ風呂くらい浴びたかろうに、わざわざ庭に連れ出し、バイクの鑑賞会。
ガタイはでかいが車輪は小さく、実は50CCだとか。本人は免許取りたてて怖くてご近所以外にはまだ乗って行ったことがないそうだ。
兄ギミの藤田真也くんにも久しぶりに会えるかと思ったのだが、どこぞに出かけて遊び呆けているらしい。いろいろとヒトとしての道を踏み外していることを弟の其ノ他くんから聞く。さすがにここには書けないが、鴉丸嬢曰く、「落ちるんならもっと別の方に落ちればいいのに、あっちに落ちたら面白くない」
……いや、弟くんの前でそれを言うのはちょっとキツイんでないの(+_+)。
ひとしきりバイクとクルマを見せあって、外は寒いので中に移動。
いや、いつまでも外でダベっていて、しかも芝居の練習まで庭で始めようとしたので、いくらなんでもそりゃ近所迷惑と、其ノ他くんちの部屋を借りることにしたのだ。
今度の芝居ではダンスのシーンがあるのだが、そこんとこの息がイマイチ合わない。なにしろ、鴉丸嬢、其ノ他くんと見詰め合っただけで吹き出しちゃうのだ。恋人同士だから照れるのはわかるけどさあ、と言ったら、誰とでも見つめ合うのは苦手なんだそうな。でもそれじゃ役者ができないじゃん。
逆に其ノ他くんは全く無表情で見つめることができる。
「……どうして笑わないの?」
「根性」
まあ、そうだわな。
ひと通りダンスの型を決めるが、鴉丸嬢が腰を捻って痛がるし、動くたびに「○○○○○○!」と淫らなことを口走るので(^_^;)、適当なところで切り上げる。あとは四方山ばなしに花が咲く。
其ノ他くん、ウメ味のお茶が好きということで、実際に湯呑の茶に梅干を入れて、爪楊枝で丹念につぶして溶かしていく。……若いのになんだかえらくご隠居風だ(^^)。いや、こういう庶民的なのって好きだけどさ。
鴉丸嬢も『サイボーグ009』にハマった由。けど、彼女もそうだが其ノ他くんも、旧シリーズはおろか新シリーズを再放送で見たこともない世代。20代前半でももう石森章太郎はダメなんだなあ。
やっぱりアニメの再放送は始終テレビで5時6時台にやってくれてないと、文化の継承ってのはできないんである。
8時過ぎ、鴉丸嬢を自宅までお送りする。
後部席に座ってグデッとしてたら、助手席の鴉丸嬢が珍しくマジメな声で、
「あ、ちょっと言っとこうと思ったんだけど」と声をかけてくる。
「……何?」
「今度、エロマンガでデビューしようと思ってるんだけど」
「へえ? 持ち込み?」
「ううん、応募」
「そりゃいいね。そっちの方がデビュー早いし、実力はつくし」
「で、話は○○○○○○○○○○○○○○にしようと思うんだけど」
「いや、それは○○○○○○○○○○○○にした方がいいんじゃない?」
……これ以降は、どうせ伏字だらけになるのでやめとこう(^o^)。
けど鴉丸嬢、若いだけにストーリー作りは多分に荒削りだけど、絵の実力はプロ級なんで、デビューの可能性は充分あると思う。
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11月08日(木)
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