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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■「ばびゅーん」の語源は『宇宙少年ソラン』から/『黒鉄 <KUROGANE>』5巻(冬目景)
 送ってもらったことはありがたいのだが、となると当然帰りも迎えに来てもらわなくてはならない。
 「んじゃ、5時20分に来てもらえるかね」
 「いいけど、ちゃんと来る?」
 「いきなリ仕事が入ることがあるからな〜。念のため、待つ間読む本でも持ってきといて」
 で、しげはそのまま買い物へ。迷ったわりには早目に着いたので、仕事に取りかかるのも早い。一週間の始まりとしてはなかなか気分がいい。
 それにしても、ふと気づいたのだが、送り迎えなんて、幼稚園の年少組以来のことなのだ。
 ……おいおい、40年近くも前かよ(+_+)。つい昨日のことみたいに思い出せるってのに、大学紛争華やかなりしころって、もう歴史のかなたじゃねーか。
 昔、いっぺんだけだけど、親が私を迎えに来るの忘れて、幼稚園にずっとほっぽらかされたことがあったんだよなあ。あのとき、ウチの親は、自分たちに子供がいるということ自体、完全に忘れていたのである。
 フツー、あるかよ、そんなこと(ーー;)。
 それ以来、私は親子の縁はプッツリ切れたものと思っているが、親の方じゃそうは思ってないんだろうな。お目出度い話だ。


 まあ、悪い予想というものは当たるもので、残業する予定はなかったのに、会議が長引いて、しげと合流したのが6時20分。ちょうど1時間の遅れだ。
 しげは「私を置いて先に帰ったかと思ったよ」と半べそ。
 悪かったので、今日の晩飯は奢ってやることにする。

 そろそろ最初に入れてもらったガソリンがなくなるということなので、初めてガソリンスタンドに寄る。
 「レギュラーってのを買えばいいんだって」
 そんなこと言われても、私は車の知識は皆無に等しいので、レギュラーとハイオクがどう違うかも知らないのだ。普通、レギュラーの対義語はイレギュラーとかスペシャルとかじゃないのか。
 ともかく、しげは初めてスタンドに寄れて嬉しいらしい。
 若葉マークがついてるおかげか、スタンドのおっちゃんも対応がとても丁寧である。
 「……私が初めてだってことばれたかな?」
 なんだか誤解を招きそうなセリフだったんで一瞬戸惑ったが、本人は気付いてないらしい(^_^;)。
 いや、そんなん若葉マークもついてるんだし、見て一発でバレバレだって。


 車なので、少しは足を伸ばせるかと、普段あまり行かない「庄屋」で食事。
 私は和食の膳ものを頼んでしげはステーキ丼。ステーキが韓国風だったのか随分辛かったみたいで、結局、私のオカズをしげに分けて、半分ほどしげのを食べてやる。
 ゆっくり、落ちついて食べていたかったが、しげはこのあと仕事もあるので、コンビニで飲み物だけ買って帰る。
 実際、こうやって送り迎えしてもらうと、一緒に過ごせる時間がそれだけ多くなるわけで、最近すれ違いの多くなってることを考えると悪くはない。まあ、ちょっと命の心配がなきにしもあらずだけれど。
 そんなことをチラッと口にしたら、しげは「一緒に死ねるからいいね」みたいなことを言った。
 だから、最初から死ぬ覚悟で運転するなよって(-_-;)。
 それとスピード出すとき、「ばびゅーん」って擬音使うのやめろ。マジで怖いから。


 米がうまく炊けなかった理由が判明。
 しげが炊飯器の釜のウラを調べてみて、そこに塩胡椒の袋が挟まっていたのを見つけたのだ。これのせいで釜がちょっと浮いた状態になってたらしい。
 早速しげが米を炊いたのだが味は上々。
 これで、炊飯器を新しく買わずにすんだ。
 ……でも、なんだってそんなところに塩胡椒が挟まってたんだ?

 カレー粉がまだ一箱だけ余っていたので、晩飯はカレー。
 何日前に買ったのか忘れた野菜を、腐る前にさっさと片付けちまおうと、冷蔵庫の奥からイモだの人参だのを引っ張り出す。
 ところが、一番奥の方にしまいこんでおいたせいか、殆ど凍りついていた(ウチの冷蔵庫は調整がムズカシイのだ)。
 まあ、凍ってたんだから、悪くなっちゃいないとは思うが、皮を剥くのにえらいこと時間がかかったのであった。


 マンガ、冬目景『黒鉄 』5巻(講談社・530円)。

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10月29日(月)
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