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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■新番紹介、大トリ!/アニメ『サイボーグ009』第1話「誕生」
 (以下引用、ご参照のこと)


 やってくれましたよ、キャラデザイン&作画監督の紺野直幸さん、この、原作そのままの絵柄で(といっても、ベースは多分『エッダ編』の頃)、あのアングルとアクション!
 サスペンスフルなドラマを堪能させていただいた30分でした。

 原作マンガをご存知ない方はいらっしゃらないでしょうから、ネタバレを気にする必要もないとは思いますが、一応ギリギリの線で書いておきますと、第1話が原作と最も違う点は、原作にあったOPの、ブラックゴーストの陰謀の描写、001から008までが誘拐されるくだりが丸々カットされていることです。
 もっとも、このOPエピソードは、原作自体、後から追加されたもののようですが。
 ですから、アニメの第1話は、009の改造、脱出、襲いかかるロボットや戦車、戦闘機との戦い、001のテレパシーによる誘導、仲間たちとの出会い、ギルモア博士の拉致、と続きます。
 いや、ここまでの話をダイジェストに陥ることなく、凝縮して描いた脚本の腕は、称賛に値するものでしょう。何より原作を好きだって思いが伝わってくるのがいいのですよ。

 ああ、特にあの伏線張りまくりのセリフ・セリフ・セリフ!

 001のテレパシーの導く通りに逃げているのに、なぜか敵に襲われ続ける009、「どうして……? 君の言うとおりに逃げてるのに……」
 001はアッサリと、「ごめんごめん。君の能力をもっと見たくて、敵のいるところにワザと連れてったんだよ」
 ……ああ、そういうやつなんだよ、001は!(^^)
 「会ったら君をぶん殴ってやる!」と言う009に、「殴れないと思うよ」と笑う001。
 やっぱりグループのリーダーと言うのはこれくらい人非人であることが絶対条件ですね♪
 爆発する戦闘機から落下する009を救ったのは002。
 このときの二人の会話が……ああ、すごい(初心者には)さりげない伏線!

 既に原作を知っていて、001の正体も、『ヨミ編』のラストも知っているオトナにとっては、これらの伏線、バレバレではあります。
 でも本作で初めて『009』に接した子供たちは、たとえばこの第1話のラストで、あるいは十数話を経て、あたかも「ウルトラマン」第1話と最終回が見事に連続したときのように、「ああ、アレにはこんな意味があったのか!」と感動するのではないでしょうか。
 009はもうブラックゴーストの戦闘員(←人間)に「化け物」呼ばわりされています。サイボーグたちの悲しみを語る伏線も既に張られているのです。

 ちょっと不安材料を口にすれば、どうやら009の設定が「少年院を脱走した」わけではないらしいことや(回想シーンに「ボクは神父さんを殺してない!」のセリフあり)、第2話の予告編が全部止め絵であったり(ウワサではまだ出来ていないとも)、裏番が“俺ももう見てないのになんでまだ視聴率が高いんだ”「海産物一家物語」だったりと、この先原作の改変やテコ入れ、番組の継続自体の危機は訪れているような気がいたしますが、スタッフのみなさんもそれは先刻ご承知のはず、きっと後は「勇気だけ」で乗り越えてくれるだろうと期待しています。

 それにしてもスカールが若本規夫ってのはちょっと濃すぎるんじゃないか。でも中間管理職って言ったら「カッコつけだけ」であんなもんなのかな。
 首領の声はできたら劇場版第一作の山内雅人さんのように、リアリティのある渋い声がいいのだけれど。


 オタクでない人のためにちょっとだけ注をつけておくと、「勇気だけ」は、原作『ミュートス・サイボーグ編』での009のセリフ。
 けれど出来ればこのままレベル落とさずに『中東編』や『移民編』も原作を余り改変せずにやってほしいなあ。
 もひとつ言わせてもらえば、絵面だけのキャラに引かれるんじゃなくて、こういう「魂」を持ったキャラに目をきちんと向けるアニメファンがもっと増えてほしいぞ。マジで。


 帰ってきたしげ、いきなり「スシ食いたい!」と言い出したので、二人で近所の回転寿司屋へ。私はもうカネがないので全てしげのオゴリだ。
 なんて情けない夫だろうとお思いの方もおられようが、そうではない。

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10月14日(日)
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