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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■東京行進曲/舞台『ラ・ハッスルきのこショー』ほか
 ようやく機体が到着した、ということで、バスで機体まで運ばれる。これがまた空港の端から端までの移動で、えらく時間がかかるのだ。
 スカイマーク、他の会社に比べて、ちょっとないがしろにされているのかも。
 ようやく乗りこんで、いざ出発かと思ったら、またもやアナウンス。
 「ただいま出発時刻が大幅に遅れております。あと15便後の出発ですので、しばらくお待ち下さい」
 絶対、差別されてるぞ、スカイマーク。

 待ちの間、仕方なく本でも読んでいようかと、持ってきた文庫本を広げた途端、しげが「旅行になんで本を持ってくるの!」と怒って取り上げる。
 「だって、退屈だし」
 「私と話したくないの?」
 「そうじゃないけど、今はできないじゃん。出発すんの待ってんだし」
 「……解った」
 「本、返してくれる?」
 「私が読む」
 ……仕方ないので、私は機内サービスのオーディオで、寄席と漫才を聞いていたのだった。

 山遊亭金太郎の「善哉公社」、ぜんざい屋がもしもお役所だったら、という発想は面白いのだが、ぜんざい一つ食べるのに書類に住所氏名年齢、職業まで書かされ、窓口をタライ回しにされるまではまあ笑えるが、本巻と別館が四駅も離れていたり、違約金が30万円だったりと、エスカレートのさせ方がいきなり過ぎて笑いが急に引く。語り口も今一つ解説的でトチリも多く、これで真打とはなあ、とちょっとガッカリ。
 Wモアモアの漫才「妹の結婚式」はまあまあだったが、トリの三遊亭夢太朗の「寝床」がまたひどかった。古典なので筋を書くのはは省くが、義太夫を聞きに来ない人間の数を増やしすぎているのである。そうやって長引かせておいて「半ば」で終わりってのはちょっとひどいのではないか。
 このオーディオサービスの落語、他の航空会社でもやってるが、スカイマークは本数も少ないし、縁者も今イチな人ばかりである。やっぱり予算が足りないのか?

 結局出発は到着時刻を越して、1時間40分遅れで福岡空港を飛び立った。
 その間、斜め前の席で、小学生くらいの子供が「窓際の席がいい」と泣きじゃくり続け。それをまた母親が全くしつけられない。「落ちついて」というばかりで、実質放任状態である。
 昔と今を単純に比較するのも年寄りの繰言みたいでアレなんだが、ウチの母親だったら、5分も私が泣いてりゃ便所に引っ張ってって、ケツひっぱたいてるな。いや、それ以前に、私は子供のころから、「外では泣かない」ように徹底的に躾られているのである。
 「外で泣くようなら旅行にも映画にも二度と連れていかない、外だろうとなんだろうと、尻をひっぱたくし、“やいと”をすえる」
 それくらい、幼児虐待でもなんでもないのになあ。
 私が隣の席だったら、このガキ、泣けないくらいに脅してやるんだがなあ、と思っていたが、1時間以上泣き通してそれに影響されたか、あっちでもこっちでも子供が泣き出した。
 たまりかねて後ろの方の窓際のおばさんが「代わってあげようか」と申し出たが、ガキは「やだ、あっちの席がいい」、とまだ泣く。
 結局、ガキから「指名」された窓際の女性二人に頼みこんで、その母子が席を移った途端、ガキはケロリと泣き止んだのだが、もしかしたらこいつら、初めからそれがねらいでやってた確信犯だったんじゃないかなあ。
 この母子は幸いである。
 もし窓際にいたのが私ら夫婦だったら、絶対席は譲らない。それどころか、この母子、多分、飛行機自体を降りることになっていたただろう。
 ……ガキガキと悪く書いてしまったが、子供に罪はなく、悪いのは親であることは明らかだからだ。

 飛行機からの降りしな、この母子をチラリと見たが、ガキの顔は宮川大助そっくりだった。育て方間違えると顔も歪んでくるのかなあ……って宮川さんごめんなさい。


 羽田空港に着いたのは1時過ぎ、迎えにこうたろう君が来ている。
 「すまない、待ってる間あんまり腹減ったんで、先にカレー食べちゃった」
 ……いや、謝るならこっちの方だってのに(ーー;)。

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05月03日(木)
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