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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■雪が溶けて川になって流れていきます/『これから』(夏目房之介)ほか
 以前、たけしの発言について「女性差別的」と女性団体が抗議したことがあったが、特にたけしが謝罪するわけでもなく、ウヤムヤに終わってしまった。たけしの毒抜きされた「軽さ」が、たかがギャグの一つや二つに目くじら立てんでも、という雰囲気を世間に作りだし、団体もそれ以上責任を追求できなくなったのだろう。
 「日本は軍隊を持て」という発言も時代の変化もあろうが、今や咎められもしない。昔、横山やすしが同じこと言ったときには散々マスコミが叩いたくせに。
 でも軍隊持ったって、人間が使いものにならなきゃ話にならんけどな。

 夏目房之介『これから 五○代の居場所』読む。
 夏目さんより10歳以上若い私が「じじいになること」について語るのもおこがましいが、夏目さんといい、ビートたけしさん(この人にさん付けは似合わんが並べた片方に付けんのも変だ)といい、東京人というのはどうしてこうも「偏屈じじい」になることを憧れとするのであろうか。ボケ老人になって周囲をハラハラさせたい、という願望すらある。
 私なんぞはまだまだ修業が足りないので、ボケてヘンなことを言ったり行動を取ったりするのが怖かったりする。今だって職場で居眠りして起き抜けに「あちゃらかぱー」とか言い出さないか心配してるのに。 

 帰宅すると女房は寝ている。せっかくコンビニに寄っておでんを買って来てやったというのに。
 最近のセブンイレブンのおでんは具が豊富になっていてお気に入りである。以前はスジさえ買って置けば女房は際限なく食っていたが、ハンバーグや牛肉まであるのだ。肉一筋の女房には堪るまい。
 女房、匂いで起きてくるかと思ったが布団にくるまったままである。ただ「メシ食うか?」の問いかけにだけは反応して「食う、食う」と寝言を言っている。四六時中モノ食ってるやつだが、やはり寝てても食ってる夢を見ているのであろう。

 先週から始まったテレビQのアニメ、『パワーパフガールズ』が面白い。
 OPから、マザーグース「女の子ってなんでできてる?」のパロディだが、確かに今時の女の子はいろんなものでできてそうである。
 今回のエピソードは、「アメーバーブラザーズ」というチンケな悪党三人組がデカイ悪さをして正義の味方、パワーパフガールズに相手をしてもらおうと悪戦苦闘する話。でもやることといったら、道路にゴミを落としたり、公園の芝生に入ったりするだけ。
 こういう悪さをしようとしてもできない悪党、というギャグは伝統的なもので、米映画にも『三悪人』『三人の名付親』『俺たちは天使じゃない』などたくさんある。黒澤明の『隠し砦の三悪人』もその系列に入ろうし、『網走番外地』にも、ム所の連中がチンケな悪事ばかり披露して、最後に嵐寛寿郎が「へいちょっとコロシを」といって、小悪党どもがビビる、というギャグがあった。マンガでは鳥山明が「どうだハナクソ付けてやったぜい!」とかやってたギャグが一番近いか。さてはスタッフ、鳥山アニメを見てるな?
 アメーバだから単細胞、という意味も掛けてるんだろうな。こういう「ルーティーンギャグ」は決して手抜きではなく、基本のなぞりなのである。これは子供向け無害アニメに見せかけつつ、コメディマニア垂涎のギャグ満載アニメであった。こんなんが民放で見られるたあ、いい時代になったもんだ。
 あ、これアチラ製のアニメなんだが、ナレーションの小堺一機、明らかに『トムとジェリー』の谷幹一のセンを狙っている。いやあ、気が入ってるなあ。

 『ワンピース』、オリジナルエピソード。設定的には相当無理があるが、原作も既に無理のある設定になっているので、原作を貶めているとは言い難い。まあ矢島さんが声アテてるし続けて見ようっと。

 岡田斗司夫さんの「新オタク日記」が最近ハイペースで更新されている。立教大学での講義が学生に大ウケのようでメデタイ。
 「創造性は必ずしも人を幸せにしない」「ものを作る動機は『不安』である」なんて、誰でも考えてるもんだと思ってたがなあ。今時の学生はそんなことも考えずに生きて来たのかと思うと、そっちの方が不安だな。

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01月17日(水)
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