ID:104863
G*R
by K・カヲル
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■『女性死神協会 会議中07』
『最高の会議室はどこだ』
十一番隊上等武闘場という看板の上には、べたりと貼られた紙には「女性死神協会本会ぎ場」と書かれていた。
「さて、みなさん!」
女性死神教会会長であるやちるの声が本会ぎ場に響き渡る。
堂々たるそのやちるの後ろでは、副会長である七緒が控えていた。
「なんだかすっごくひさしぶり」
「……それを口にされてはいけません」
ぼそりと呟いたやちるに、七緒が囁く。やちるは傾げた首を元に戻して笑った。
「まあいっか。会議をはじめよ!」
その言葉を合図に七緒はくくっと眼鏡の位置を直し、黒板に書かれた議題を指し示した。
「さて、本日の議題はこちらになっております……十一番隊の皆々様と更木隊長より提出されました。こちらは会長より提供されておりますが、こうも頻繁にかつ長時間の会議により、十一番隊隊員の稽古時間が減り、更木隊長の苛立ちは増し、つられて斑目三席の眉間の皺が深くなる、という」
「単に暴れられなくて苛々してるだけなんじゃないの?」
乱菊が笑ってそう言うと、全員が頷いた。七緒もふっと笑みを浮かべるが、すぐに真面目な顔をする。
「まあそんなところではないかと思いますが、私共もいつまでも会長に甘えているわけに参りません。 そこで、会議のための最適な部屋を探し、借りられるようにしたいと思います。前回の会議で皆様に、部屋の候補をご一考下さるようお願いしておりました。順に発表して頂きます」
「では、最初の方!」
「はーい、あたしね」
七緒の声に乱菊がのんびりと手を挙げる。そして足下から数枚の写真パネルを取り出した。青い空、白い雲、そして陽光を鈍く反射する瓦屋根が見える。
「……すみません、乱菊さん」
「なぁに」
「どう見てもこれは屋根に見えるのですが」
低い声で尋ねる七緒に向かって、乱菊は柔らかに微笑んだ。
「屋根だけど?」
「屋根の上でどうやって会議するおつもりなんですかっ!」
「えー、ひなたぼっこしながら?」
あっけらかんと笑って小首を傾げてみせる乱菊の前で、七緒は小刻みに震えている。その顔を覗き込み、乱菊は、あららー、とまた笑った。
「だって、これまでだって別に黒板とかなくたって困らなかったと思うわよー。あ、でもね、雨の日とか夏の暑い日とか冬の寒い日は辛いかなってことくらいは考えてるわよ。だからそんな日はここで」
乱菊はおもむろにもう一枚を表に出した。
「乱菊さんご贔屓の居酒屋じゃないですかっっ! だめですっ! 一応これでも仕事なんですよ仕事! それにここでは会議の度にお金がかかってしょうがないじゃないですか!」
「では、次の方」
「あ、はい、私です」
七緒の声に勇音がおずおずと手を挙げる。そして背後から数枚の写真パネルを取り出した。鯉の泳ぐ池には小さな庵が映っている。
「……すみませんが、勇音さん」
「は、はい」
「これ、雨乾堂に見えてしかたないのですが」
何かを押し殺した声で尋ねる七緒に、勇音は困ったように微笑んだ。
「はい、雨乾堂です」
勇音がもう一枚のパネルを出す。そこには布団から半身を起こした浮竹が、口の片側から吐血しつつ爽やかに笑って親指を立ててポーズを決めていた。七緒ががっくりと項垂れる。
「浮竹隊長が常にお休みになっておられるじゃないですかっ! と申しますか病人の寝ているところで騒がしくできるわけないですし、女性死神協会の会議なのですから浮竹隊長にお聞かせするわけには」
「あ、それについては浮竹隊長曰く、『華やかな女性陣に囲まれるのも、まあいいんじゃないかな。元気を分けてもらおうか。ははは』とのことでした。それとですね」
すでに疲れた表情の七緒に勇音は優しく微笑む。
「浮竹隊長にお聞かせできない会議のときには、卯ノ花隊長が浮竹隊長を診察するため四番隊にお連れするとのことでしたので」
「何あなた方職権乱用してるんですかーっっ! だめですだめですっ! どこがご病気なのかイマイチ分かりづらくとも病人なんですよ浮竹隊長は!」
(「でも浮竹隊長、喜んで四番隊に向かうわよね」という囁きあり。七緒の一睨みでぴたりと止む。)
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03月01日(金)
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