ID:104863
G*R
by K・カヲル
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■雰囲気的な10の御題:哀
01.覚めない眠り 051005 up 日番谷
02.拒絶の言葉と 051012 up 七番隊
03.鳥籠に似た 051014 up ネムと阿近
04.記憶の断片 051011 up 白哉
05.深すぎる想い 051019 up 乱菊
06.乾いた瞳 051006 up 卯ノ花とやちる
07.その一瞬に 051013 up 勇音と日番谷
08.一筋の紅 051007 up 二番隊
09.傷つけばいい 051020 up ギン
10.例えばそんな結末 051021 up ギンと乱菊 NEW
配布元 Title--Melancholy rainy day
01.覚めない眠り
冷えた眼を開けたまま硬直して倒れていた雛森を思い出し、日番谷は目を伏せた。
日番谷の目の前では、雛森が寝台に横たわり深くふかく眠っている。静かな寝息。閉じられた眼。枕に広がる黒髪。青白い肌。窓から差し込む茜色の光が彼女を照らし、その色がほんの少しだけ、肌の色を柔らかく見せる。しかし太陽はすぐに沈み、この部屋は闇色に浸される。
あの日から雛森は目を覚まさない。
日番谷は部屋の入口から、眼を細めて眠り続ける幼なじみを見つめる。最後に交わしたのは、あの屋根の上で歪んだ泣き顔とともに発せられた言葉。こぼれ落ちる涙とともに零れた、自分を呼ぶ苦しげな言葉が今も日番谷を呼んでいる。
どうしたら。
どうしたらどうしたどうしたら。
「そんなの、俺にもわかりゃしねえよ……雛森」
眼を閉じると紅い色が滲む。日番谷は目を開けて、目に焼き付けるように雛森を見つめると、踵を返して部屋を出ていく。
「……行ってくる」
日番谷の歩く廊下は暗く静寂に満ちていた。
02.拒絶の言葉と
狛村が執務室に入ってくると、草の匂いがした。
「丘に行っておられたんですか」
茶の準備をしながら射場は静かに問う。窓辺に胡座をかいて、狛村は黙って頷いた。隠すことをやめて顕わになった金色の眼は思慮深くそしてただ静かに光る。
「檜佐木がおったわ」
低い声が呟いた。
「奴も……色々と思うところがあるのだろう。ただ空を見上げておった」
射場は何も言わずに、湯飲みを狛村の前に置いた。夕暮れになろうとする、僅かに赤みを帯びた光が部屋を満たし、湯気が赤く染まる。狛村は膝に両手を置き、彫像のように動かない。射場もまた、傍らで影のように佇む。
どこかで鴉の鳴く声がした。
「……鉄左衛門」
呼ばれて、射場は顔を上げる。狛村は窓の外を眺めていた。
「拒絶ですらなく、ただ道を違えていたことを知らされただけというのも、なかなか、なあ……」
狛村はそこで言葉を切ると、口を引き結び遠い目をする。それは東仙と過ごした長い長い時間を見ようとしているのか、ただ遠くただ静かで、射場はそっと目をそらす。
「隊長…………茶ぁ、冷めますけぇ」
正座の膝に拳を置き、射場もまた窓の外を見た。
「東仙隊長は……二、三発ぶん殴りゃあ、目ぇ覚ますお人ですわ」
「……そうだな。まずは殴らないとならぬな」
窓の向こうの空に、鴉が一羽、飛んでいた。
03.鳥籠に似た
血塗れのネムが部屋に運ばれてきたとき、阿近は大きく溜息をついた。面倒、というのではない。またか、という諦めも入り交じった感情ゆえだった。
「……ネムさん」
ネムの痛覚を切り、怪我の具合を診ながら阿近は無表情の彼女に声をかける。天井をじっと眺めていたネムは、顔を阿近に向けた。
「アンタは特級品ですから、本当は抵抗できるくらいの能力はあるんですよ」
それに。
阿近は口の中で呟く。
製作者に楯突かないようにする自己規制プログラムは組んでいない。
目の前のネムは、不思議そうに首を傾げる。
「こんな不必要な怪我をしなくてもいい、ということですよ」
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02月05日(火)
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