ID:104863
G*R
by K・カヲル
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■CM-Soul Candy [2]
「いや、貴様は良く働いているぞ、大前田。だが、それとこれとは全く別の話だ」
 ピョンとかニャアとかケロケロよりはずっと良い。良いと思う。思うがだがしかし。大前田はどっと疲れを感じてソファに座り込んだ。その衝撃で反対側に座っている砕蜂の体が浮き上がり、ソファの上で跳ねた。


※伝令映像絡繰箱(仮・現世で言うテレビジョンのような機械)とは管理人が勝手に考えてそれらしい名前を勝手につけたものです。原作にはありませんのでご注意下さい。





『0.5密談・数日前の三番隊隊舎前』

「ギンちゃん」
 上からの声に呼ばれ、ギンは顔を上げた。隊舎入口の前に植わっている松の木の枝に桃色の髪が揺れている。
「やちるちゃん、どうしはったん」
 答えると、やちるは低い枝まで飛び降りてきた。そうするとギンと目線がほぼ合う高さになる。やちるは朗らかに笑った。
「お願いがあるんだ」
「何やろなあ」
 首を傾げてみせるギンに、やちるはどことなく嬉しそうに声をひそめる。
「ギンちゃんの義骸を貸してほしいんだ」
「……何に使うんやろ」
「新しい義魂丸を宣伝するのに、実際に使っている様子を見せたいなって思って」
 やちるは新商品が出来た経緯を説明する。ギンはそれを聞きながら、どうにも微妙そうなそれを想像する。
「それならボクの使うより他の人の見たいなあ。イヅルの、貸すわ。面白うなる思うよ」
「ううん、ギンちゃんがいいの」
「イヅルやって有名やから宣伝になるんやないの」
「ううん、この『ギンノスケ』って、乱ちゃんが考えたやつだから」
 ギンは一瞬で薄いうすい笑みを顔に貼り付けた。細い紅い目でやちるの、屈託のない笑みを窺い、ギンはぐるぐると考えを巡らせる。何故、誰から、いや、ばれるはずはないのに……どうする? 気付いたこの少女をどうする?
 目の前ですっと気配を消したギンを見て、やちるは少しだけ困ったように笑った。そしてあやすような柔らかい声で言う。
「ギンちゃん、あたし、剣ちゃんにだって話してないし、何も知らないよ?」
「……何のお話やろなあ」
「だって、ギンちゃん、あたしと同じでしょう?」
 違うの? と首を傾げるやちるの顔を見て、思わずギンはふっと顔を緩めた。薄い笑みが消え、ギンは普段よりわずかに静かな笑みを浮かべる。
「十一番隊隊長さんにも、話してないんやね」
「当たり前だよ」
 やちるは密やかな声で答える。
「こういうことは人には話さないものなんだよ」
 ギンは可笑しそうに下を向いて、笑った。
「……やちるちゃんは大人やねえ……かなわんなあ」
 足下に揺れる白い羽織を見て、ギンは眉を寄せた。これを羽織るまでになっても、奥底にいる幼い自分はあの荒れ果てた場所に立ち竦んだままだ。
「……ボクの義骸、使うてええよ」
 そして上目遣いにやちるを見て、ギンはにやりと笑ってみせる。
「その代わり、イヅルの義骸も使うてな」
「うん! ありがと!」
 やちるは光を放ちそうな笑顔をして、そして小さな手でギンの頭を軽く撫でた。






『003雑談・八番隊』

 畳に寝そべって伝令映像絡繰箱(仮・現世で言うテレビジョンのような機械)を眺めていた京楽は、背後の七緒を振り返っては宣伝の感想を述べていた。その度に七緒は眼鏡の位置を片手で直しながら、それぞれの詳細な説明を京楽に話して聞かせる。
「八番隊の義骸は貸し出さなかったのかい」
「他の皆様が話を付けて準備なさっていたので」
「僕のを使ってくれて良かったのに」
 京楽の言葉に七緒は片眉を上げた。京楽は背を向けたまま、忍び笑いをして絡繰箱を眺めている。
「……隊長のお姿をお借りするわけには参りません」
「えー、僕は構わないんだよ、そういうのは」
 ごろりと転がって仰向けになる格好で京楽は七緒に顔を向けた。そして七緒のしかめた眉を見上げて、ふふと笑う。
「僕の姿でピョンとかケロケロとか、いいじゃない」
「よくありません」
「隊長くらいの人が使用してみせた方が、他の人も使いやすいというものだしね」
「でも」

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02月12日(火)
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