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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ワン・バトル・アフター・アナザー」

これ本当にPTAなの???作風変わった?それとも私の鑑賞力が上がったの?信じられない、めちゃくちゃ面白いんだけど(笑)。PTAはイマイチ相性悪く、才能ある監督だと理解しつつ、あまり面白く感じた事がありません。気になりながらも、そっとスルーしていた監督です。ま〜た三時間近い作品なのに、何故観たかというと、主演がレオだから。ごく若い頃を除いてほとんど観ているレオの作品は、一切外れなし。私の中で一番信頼できる俳優です。ありがとう、レオ!な作品。監督はポール・トーマス・アンダーソン。
極左革命グループの「フレンチ75」。パット(レオナルド・ディカプリオ)はそのメンバーで、黒人のパーフィディア(テヤナ・テイラー)は同志で恋人。移民収容所から、移民たちを救い出す時に、パーフィディアは収容所の指揮官ロックジョー(ショーン・ペン)と対峙。この時以来、ロックジョーは、パーフィディアに異常な執着心を燃やします。その後妊娠したパーフィディアは女子のシャーリーンを出産。しかし、パーフィディアがパットや娘より革命を優先した事から、大事件が起こり、パットはボブ、シャーリーンはウィラと名前を変え、まだ赤ちゃんの娘を抱えて、パット=ボブは、シングルファーザーとして、誰も知らない土地、バクタン・クロスで生活して15年。成長したウィラ(チェイス・インフィニティ)を、ロックジョーがある理由から、探し求めます。
二つの革命やレジスタンスの地下組織が出来ています。一つはボブたちの「フレンチ75」。一つはウィラの空手のセンセイことセルジオ(ベニチオ・デル・トロ)率いる、移民を保護する地下組織。フレンチ75の方は、爆弾で政府方の機関を爆破したり、資金繰りのため銀行強盗したり、お馴染みの過激派。センセイたちは、普段は別の仕事を持った平凡な人々が、恵まれないであろう、移民たちを手厚く保護している。武器なんか使わなくっても、一人一人が自分の仕事を秀逸にこなします。
どこが違うのか?前者は自分たちの目的のため、善良な市民も巻き込んでいる。どんなに崇高な目的があっても、これは如何なものか。そしてパーフィディアは敵であるロックジョーの手に落ちます。彼女が家庭に背を向け、革命運動に没頭するのは、娘がパットではなくロックジョーの子供だと解っていたからでしょう。それは逃避であり、善良な人々を巻き込んだ報いを受けたのだと、彼女は思ったんじゃないかなぁ。だから一層過激に運動にのめり込む。
フレンチ75のメンバーであることを証明するため、パスワードがあって、それを15年使っていなかったから、すっかり忘れてしまったパット=ボブ。自分が忘れているのに、怒りに怒る。この様が今のネット社会のパスワード文化を皮肉っているようで、すごく笑えるんですが、そういえば、センセイの組織は、そんなものなかったような。信頼関係の違いを描いていたのかも、
パーフィデアを演じるテヤナが超絶魅力的。初っ端で、わ〜素敵〜と思ったもの。トップモデルにいそうなアフリカンな顔立ち、抜群のスタイル。ビッチでセクシーで強い。そりゃ変態のロックジョーもイチコロでしょうて。
そのロックジョーも哀しい変態なのよね。強さを誇らなければいけない軍人なのに、性癖はマゾ。千載一遇のパーフィディアを手に入れたものの、「私のプッシーは、あんたのものじゃない」との名セリフを残して、彼女は失踪。昇進したロックジョーは、花束を持ってきっとプロボーズするつもりだったんだね。そりゃ性格も歪んで(元からだと思うけど)、鬼畜になりますよ。でもパーフィディアを「捕獲」出来たのは、愛ではなく証言者保護システム。この違いがロックジョーは解らなかったんですかね。そしてこれが引き金で、白人至上主義の「クリスマス・アドベンチャー・クラブ」への入会を、熱望する事になったんでしょう。
怪演しまくるショーン・ペンですが、喜々として演じているように感じました。65にして変態軍人を演じるのは、まだまだ俺も老け込まないぞ!という意気の表れでしょうか?コミュ障の変態の哀れも感じさせて、秀逸です。
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10月11日(土)
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