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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「31年目の夫婦げんか」


いや〜、面白かった面白かった!こんなの観ていると、アメリカも日本も夫婦の間は同じよね〜と、世界に国境なしを感じます(いやホントに)。実はワタクシ、21歳になったばかりの時に結婚し、今年の冬で結婚丸31年。現在結婚31年目を進行中でしてね、この映画はとっても楽しみにしていたんです。私のように結婚歴が長い人が観ると、「わかるわ・・・」と、ため息漏れつつ、共感しまくる作品です。監督はデヴィッド・フランケル。

結婚31年目のアーノルド(トミー・リー・ジョーンズ)とケイ(メリル・ストリープ)夫妻。息子二人は自立し、夫婦ふたり暮らしです。惰性で暮らす夫婦生活に疑問を持ったケイは、アーノルドに内緒で、週4000ドルの夫婦で受けるカウンセリングに申込みます。最初は剣もほろろだったアーノルドですが、渋々ケイに付いて行くことに。カウンセラーはフェルド医師(スティーブ・カレル)。フェルドの質問に、次々本音を語りだす二人。フェルドは二人に課題を出しますが、それが新たな夫婦関係を築くきっかけとなります。

「夫婦げんか」と言う邦題になっていますが、要はこの5年くらい寝室も別で、セックスレスに悶々とする夫婦関係を、何とかしたいと妻は思っているわけです。私は映画を観ていて、欧米の人は生涯現役なのだと思っていたので、やっぱりセックスレスの悩みがあるのかぁ〜と、新たな発見です。

と言うとね、如何にもケイがスキモノみたいですが、逆にセックスには奥手の奥さんだと見たね。それなのにこの悩み、ここに深ーい妻心があるわけですよ。まぁ〜アーノルドと来たら、せっかく夫婦水入らず出かけてるのに、とにかく文句しか言わない。うちの夫と同じ!夫って、どうしてこの状況を楽しめないのかしら?私も二人で出かけると、夫の気分をアゲアゲにするため、どれほど苦心惨憺する事か。夕食後、アーノルドがテレビを観ながらうたた寝するところも、うちと一緒。うちなんか、そっとテレビを消すと、「なんで消すんや。気持ちよぉ寝てたのに」と目を覚ます。そう、テレビの音が子守唄なんですねぇ。本当にもぉ、夫って夫って夫って!

ケイによるとアーノルドは、結婚記念日に「妻が欲しがっていたから」と、湯沸かし器をプレゼントしたと言う唐変木ぶりも発揮します。カウンセリングに4000ドル使った妻が、「私が今まで何か好きなものにお金を使った?」と言うと、「冷蔵庫を買ったじゃないか」と仰る。唐変木の上に朴念仁と来たもんだ(笑)。ずっと夫唱婦随で来たようなこの夫婦、妻が老後に向い危機感満タンになるのは、私はとっても理解出来ました。

最近は夫婦が別室と言うのも多いそうです。これどうなのかなぁ?ケイの悩みは、夫が自分に触れてくれなくなったと言う事。これはうちは思い切りセーフ(笑)。夫曰く、「あんたが女やと言う事を忘れんように、”触ってやってる”」そう。うちは子供が小さいうちは川の字でしたが、自分で寝るようになってからはずっと隣同士です。そうすると、お互い触れ合う機会が頻繁なのですね。フェルドの出した第一関門を突破し、夫に抱かれながら迎えた朝のケイの笑顔が、嬉しさ満開でとても可愛い。

それほどセックス好きそうじゃないケイが、セックスと言う行為に拘るのは、肉体的な乾きより、体を通して、夫に自分の心を抱いて欲しかったんじゃないでしょうか?長年夫婦をやっていると、セックスは快楽と言うより、コミュニケーションツールになると思うんですね。この夫婦が頻繁に会話があったりハグしたり、挨拶ではない親愛のキスを重ねていたら、妻はセックスにはこだわらなかったと思いました。日本は欧米よりセックスレスの数は多いと思いますが、ここんところをクリアしている夫婦が多いのでしょう。ただ、セックスレスでダメになる熟年夫婦はあるけど、セックスがあってダメになる熟年夫婦は、少ないように思います。


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08月01日(木)
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