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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ヒッチコック」
言わずとしれた巨匠の、夫唱婦随で歩んだ姿を、傑作「サイコ」の舞台裏を通して描く作品。ヒッチコックの人物の掘り下げが甘かったり、せっかく「サイコ」の舞台裏なのに、主演のアンソニー・パーキンスの出番がちょっとしかなかったりで、不満もあるんですが、私はヘレン・ミレン演じる妻アルマを主体に観たので、共感しつつ面白く観られました。

サスペンスの神様アルフレッド・ヒッチコック(アンソニー・ホプキンス)。妻アルマ(ヘレン・ミレン)と共に映画製作の道を歩み、気がつけば60歳に。記者から「もう引退は考えているのか?」との不躾な質問に怒りを感じた彼は、若き日の映画製作への情熱を思い起こさせる原作と出会います。それは「サイコ」。映画会社の反対に合い、自宅を抵当に入れてまで作った資金で、制作がスタートします。

冒頭、「サイコ」にインスピレーションを与えたエド・ゲイン事件の再現フィルムが現れます。そして流れるのが、懐かしの「ヒッチコック劇場」のBGM。私が幼い頃見ていたのは再放送でしょうね。横向きのヒッチコックのシルエットや、吹き替えの熊倉一雄の声など、よく覚えていますので、懐かしかったなぁ。画像はホプキンスと本物のヒッチコック。特殊メイクで頑張っていましたが、残念ながら似ていません(笑)。なんつーか、ホプキンスのヒッチ先生、太った鳥みたいなんだなぁ。ご本家も愛嬌のある容姿ですが、そんな人間外の雰囲気はなかったです。


上の画像は、「サイコ」制作現場で揃った主要キャストです。左から演ずるはジェシカ・ビール(ヴェラ・マイルズ)、スカーレット・ヨハンソン(ジャネット・リー)、ジェームズ・ダーシー(アンソニー・パーキンス)








そしてこれが、ご本人たち。女性陣も当時の女優さんの雰囲気を上手く掴んでいますね。でも抜きん出て、ダーシーのトニパキぶりは出色でした。私は彼目当てもあって観たので、出演場面が少なくて、とっても残念。スカヨハは、リーを演じるに当たり、娘のジェイミー・リー・カーチスに会ったのだとか。出演の頃ジャネット・リーは、トニー・カーチスの奥さんでした。役作りに熱心なスカヨハの心意気を感じる、良いお話です。

「サイコ」公開は1960年。今なら60歳は監督盛の年齢ですが、今から50年以上前は、老人扱いだったのですね。隔世の感があります。

ブロンド美人女優を偏愛するヒッチコックは、この作品の姉役も、もう既にモナコ王妃となっているグレース・ケリーに頼もうと言い出します。彼のブロンド好きは有名で、主演女優は必ずブロンド。「鳥」のティッピ・ヘドレンは、かつて彼を袖にしたため干されたと暴露。この作品でも二人の女優を追い掛け回す様子や、アルマの言葉から数々の浮気も感じます。ん〜、でもあんまり気持ち悪くはない。もうちょっと変質的・妄執的に描いても良かったかも。女優は主にリーとの絡みが多かったですが、ねっとりまとわりつく風もなく、リーに紳士的で優しかったと言わせています。この辺、御大に気を使ったのかしら?

妻のアルマは才能ある脚本家で、結婚30年、影になり日向になり夫を支えています。「サイコ」の企画も、いの一番に妻に相談する夫。危険な企画なのに、何故?と尋ねる妻に、「若い頃のように、期待と不安の入り混じった情熱的な気持ちで映画を作りたい」と言う夫。見る見る口元がほころぶ妻。そして夫には自分が必要だという自負もある。


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04月18日(木)
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