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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ベイビーズーいのちのちからー」



まずは悶絶する可愛さの予告編をご覧あれ。コレ。もう絶対観ようと思いました。アフリカ・モンゴル・日本・アメリカの赤ちゃんの生後すぐから一歳までの約一年間を撮影したドキュメント。台詞はないのですが、まぁ赤ちゃんたちの泣き顔笑い顔の雄弁な事!劇場は平日もあって10人程でしたが、子育ても終わった感じの女性がほとんどで、昔を懐かしんでか、みんな「ほぉ〜」とか「まぁ〜」とか、微笑む時も一心同体で、とっても和やかに鑑賞していたら、ちょっとアクシデントが。それは後述で。監督はトマス・バルメス。フランス映画です。

お国事情が違えば、子育てもそれぞれ。アフリカやモンゴルは、おむつなんかしないの。まずはこれにびっくりです。モンゴルの赤ちゃんは男子で、おしっこが弧を描くシーンはベストショット。あれ、待っていたのかなぁ?ハイハイしたり寝っ転がったり、私なんか怪我するんじゃないかと気が気ではない。この両国は日本では信じられないくらい不衛生な環境です。アフリカの赤ちゃんは少数民族で、ほとんど裸族。ハエの集ったおっぱいを飲み、汚い泥水をすすり、目についた石ころをしゃぶる。それでも元気いーっぱい健康に育つ。交互に挿入されるのが日本の赤ちゃんで、これが育児教室みたいな所で、親は満足そうなんですが、赤ちゃん別に喜んでいる気配なし。全編お国柄の子育てを尊重してくれている監督ですが、これはちょびっと皮肉かしら?

お風呂もないアフリカでは、お母さんが舐めて清める。顔は母乳で拭く。いやびっくり。犬猫の世界なんですが、赤ちゃんの肌は何故かピッカピカ。モンゴルも両親は遊牧民で住むのはゲルの中。当然お風呂なんかなく、行水みたいな感じですが、口に水を含んで、赤ちゃんにシャワーのようにかけるお母さんの場面は、愛情をいっぱい感じさせます。それに引き換え、アメリカの赤ちゃんは豪華なジャクジーにご機嫌斜め。それぞれ親の愛情なんですが、どうも監督はアフリカ&モンゴル組を気に入っているようで。





その他家畜と一緒に育っている感がアフリカ&モンゴル組にはあり、私なんぞ、あんなに牛や山羊に赤ちゃんが取り囲まれているなんて、失神しそうになりますが、赤ちゃんたちは全然平気。角も平気。豪快にしてたくましい子育てですが、生後一年未満と思えば、ちょっと真似するには勇気がいります。

一見謎の育て方にも生活の知恵が。モンゴルの赤ちゃんが、強くぎゅーぎゅー縛られて寝かされているのが不思議でしたが、あれはサークルがないベッドからの落下を防ぐためですね。寝返りが出来なくても、赤ちゃんはちょこちょこ動いている間に、半周くらいするのは普通で、こうやってお母さんは家事や仕事をしている間の事故を防いでいるのでしょう。

赤ちゃんと言えばおっぱい。おっぱいを飲ませている時ってね、気分は乳牛・ホルスタインてなもんですが、その光景も映されます。エロス一切無し。監督は授乳中の母親が、フェロモンなんか出してんじゃねーぞ!と言ってるのかしら?アメリカは母乳の搾乳シーンが出てきますが、もう本当に牛!アフリカの赤ちゃんは上にたくさん兄弟がいるみたいで、お母さんのおっぱいは、これぞ垂乳根の母。大きくて垂れていますが、右に赤ちゃん、左にお兄ちゃんを抱きかかえ、それぞれにふくます姿は圧巻の貫録です。これぞ大地の母でした。

それぞれに女園があり、そこで井戸端会議してストレス発散するのは、何処の国の母も同じようです。しかしここでも綺麗な服を来てバギーを押す日本のお母さんの団体は、ちょっと気持ち悪い。私たちは母親様とお子様よ、そこをおどき!みたいな、勘違いの威圧感があり一種異様です。本当に暮らしの中に赤ちゃんの成長が溶け込んでいる他の国と比べ、どうも日本は子供を産むくらいで選民意識が過ぎる気が、監督はするんでしょうか?いやこれは私の感覚かしら?


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05月09日(水)
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