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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「おとなのけんか」


おもしろ〜い!もう思い当たる事だらけで、中盤からずっと笑いっぱなしでした。80分足らず、二組の夫婦が一軒の家で子供同士の事で話し合うだけが、こんなに面白いなんて。親心は万国共通を実感致しました、ハイ。監督はロマン・ポランスキー。

ペネロペ(ジョディ・フォスター)とマイケル(ジョン・C・ライリー)夫妻の息子が、ナンシー(ケイト・ウィンスレット)とアラン(クリストファ・バルツ)夫妻の子供と喧嘩して、前歯を二本折られます。夫婦して謝りに来たはずが、事態はあらぬ方向へ・・・。

もう大人になったけど、うちも息子三人なのでね、そりゃ子供の頃は謝ったり謝られたり、色々ありました。病院送りも病院送られもあり。謝る時の私の常套句は、「申し訳ありません、親の躾が悪いもので・・・」と、締め括りには「これからもよろしくお付き合いお願い致します」。謝られる時は、「まぁまぁ、そんな、よろしいですよ。男の子ですもん、これくらい。喧嘩もでけへん男の子なんか、あきませんやん」です。そして話しは手短に。色々話すほど、打ち解けるより墓穴を掘ること明白なので。だって色々言いたい事は、ぐっと我慢しているわけで。この親たち、こじれたのは話が長すぎたのよね、うんうん。

最初はお互い誠実に丁寧に相対しているのに、弁護士のアランの携帯が鳴りまくり、話の腰を折るのが悪かった。愛想笑いを浮かべる他の三人に比べ、アランは慇懃無礼どころか、無礼千万。そこには仕事で忙しいのに以上に、男なんだから、喧嘩の一つや二つで、何で男親まで出ていかなければいけないのか?が、ありそう。その辺は実はマイケルとて同じなんですね。夫の個性の違いで、出方が違うだけです。

しかし私も子供が前歯を折った折られたの喧嘩をしたら、「父親の出る幕」だと思うわ。父親と母親って違うのよね〜。誰だって自分の子供が一番可愛いわけで、親の言い分はぐっと堪えているところへ、毒舌と皮肉いっぱいながら、ある意味一番正直に親の気持ちを語っていたのは、アランです。一人、また一人自分の本音を露呈さてしまうと、もう収まらない。お話は夫婦VS夫婦になったり、夫同士妻同士がタッグを組んだり、妻と夫がお互いを攻撃したり、入れ代わり立ち代り、攻守交代でお話は進むんですが、セリフの一つ一つ、動きの一つ一つまで、とにかく面白い。てか、他人の喧嘩は観ていてホント、面白い!

ペネロペはインテリジェンスに対しても、ぐっと背伸びをした思考がありあり。普通で可愛い妻のはずが、独りよがりの平和主義者で独善的。「ジョン・ウェイン型」のマイケルならいざしらず、アランは弁護士ですもの、やり込められて、首に青筋立てながら、涙ながらに必死に応戦する姿が、可愛くもおかしくて。ムキになればなるほど、おかしくて面白いんだなぁ。

ナンシーの仕事で家庭を省みない夫への不満もよーくわかる。この人たち、結婚12〜3年くらいですかね?私が一番夫への不満が多かったのが、この頃です。ナンシーがある行動を取るのですが、もう痛快でね。実は私も覚えがあってね、当時夫はあるアマチュアスポーツ団体の理事をしていて、昼夜土日祝関係なく頭の中はそのことだらけ。その上時間がちょっとでも空くとパチンコ。仕事はそれなり、家庭はほっぱらかしの時代が15年くらい続くわけ。そちら方面で忙しく、子供に当たる夫にキレたワタクシ、そちら方面の大事な書類を、ビリビリに夫の目の前で破いてやったのですね、ワーハッハッハ!

ヒステリーを起こす妻たちに比べ、夫たちは至って冷静。ジョン・ウェインを目指すマイケルは、少々無神経ながらも妻を寛容しているし、アランに至っては、常に悠然で余裕ありまくり。そうそう、これでいいんです。女は身近な事で泣いて喚けばいいのよ。受け止めるのが夫の技量だわよ。アランも言ってたでしょ?「男は女の涙には弱い」と。欧米でもそうなんだねぇ。私最近、映画以外は泣いてないなぁ〜。


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03月09日(金)
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