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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「おとうと」
昨日の初日観てきました。大阪はこの週末から公開ラッシュで、優先順位は下位ながら、前売りが安く手に入ったこの作品からの鑑賞でした。でも全くダメで、ちょっとでも期待した私がバカでした。もう60代半ばだと言うのに、奇跡のように清らかで美しい吉永小百合が、全然生かせていない作品です。かなり怒っているので、今回罵詈雑言のネタバレです。この作品がお好きな方は、スルーして下さい。
東京に下町で薬局を営む吟子(吉永小百合)。大阪出身の彼女は東京の大学で夫と知り合い結婚します。一人娘の小春(蒼井優)が小学生の時に優しく温厚だった夫は亡くなり、以来女手一つで娘を育て、今は姑(加藤治子)と三人暮らしです。大学病院勤務のエリート医師と小春の結婚式に、突然音信不通だった素行の悪い弟・鉄郎(笑福亭鶴瓶)が現れ、大酒を飲んで披露宴を台無しにしてしまいます。
小春の結婚式に行くまでの過程は、一家の背景、下町の人情の厚い付き合い方を描いて、少々古風でしたが気持ちよく観られます。それが小春の結婚式以降、私の疑問や不信感が炸裂します。
私は吟子と鉄郎の二人姉弟かと思っていたら、兄(小林稔侍)がいました。大阪に在住のままのようですが、それにしては大阪弁が下手過ぎ。こんなベテランが赤っ恥です。何故なら吉永小百合が、絶妙に標準語の中に大阪出身を滲ます方言を使っていたからです。私の年上の義妹は神奈川に嫁いで31年、里帰りの時は本当に吟子のような言葉使いです。妻役のベテラン茅島成美も一切標準語で通すし、なんなんだこの手抜きは。
まず問題の鉄郎なのですが、酒で失敗を繰り返している設定なのですから、いくら隙をみて飲んだとしても、円卓で囲んで誰も知らないなんて不思議過ぎ。それと延々酔った鉄郎の醜態を映しますが、何度も酒で失敗しているんですから、こう言う人は一口飲んだら終わりなのは、身内ならわかっているはず。早々に外に引っ張り出す機会はいくらでもあったのに、いつまでも放し飼い状態で、身内も学習能力が足らな過ぎで、ここも大矛盾。
新婚早々に出戻ってくる小春。「何かあったの?あなたはもう嫁ぎ先の人なので、いくら実家でも理由なく泊める事は出来ないのよ」と、古風な価値観を持ちだす吟子。その理由と言うのは夫の吝嗇ぶりを示す事柄で、姑が「金持ちっていうのは、ケチなもんだよ!」と怒りますが、その姑には「大事な話ですから、お姑さんはあっち行ってて下さい」にまず絶句。
この婆さんも口が減らない人で、吟子は相当苦労したでしょうが、このタイミングでそれはないでしょう。第一夫を亡くし大黒柱で子育てして仕事をするのに、今まで同居の姑に何の世話にもならなかったとは、まずは考えにくいです。それ以降母娘で、何度もこの婆さんを邪魔者扱いする様子が、私にはとても腹立たしいです。ろくでなしの弟にはあんなに執着するのに、姑にこの態度では、吟子はただの姉バカです。もっと器の大きい人に描きたいんでしょう?
娘を心配して婿に話をしに行く吟子。昨今大学病院の医師の多忙さは、一般人だって知っているはず。ましてや彼女は処方箋も扱い勉強会も欠かさない薬剤師です。多忙を理由に話し合いを拒否し、何故小春が出て行ったかわからないと語る婿。この様子は離婚する気はないんでしょう。作品ではエリートの婿や嫁ぎ先を悪者扱いしたいんでしょうが、「釣り合わぬは不縁の元」なんて、私だって知ってるぞ。ならこれくらいの軋轢は覚悟の上の結婚じゃないの?娘に諭す場面もなく母もこれで納得。出戻ってすぐに新たな恋にときめくバカ娘に違和感いっぱいの私を、離婚して半年くらいの、まだ20代半ばの娘に「そろそろ再婚してほしい」という、吟子のバカ母発言が追い打ちをかけます。
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01月31日(日)
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