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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「おとうと」
怒りでへろへろになっている私に、最後の最後まで山田洋次は追い打ちをかけます。鉄郎を毛嫌いしていた姑は、今はまだらボケ。鉄郎の死はわかりません。めでたく再婚することになった小春の挙式の話で、今まで邪魔者にされていた鉄郎が可哀想になって来た。呼んであげなさいと言います。それは今まで散々この嫁と孫に邪魔者扱いされていた彼女だからこそ、わかったんですよね?しかし映画は弟を忍び咽び泣く吟子の姿で終わり。えぇぇぇぇ!どうしてここで「お姑さん、今までごめんね」が言えないの?このセリフは、死と引き換えに鉄郎が残してくれた教訓でしょう?もう頭と心が沸騰したまま終わってしまいまいた。

救いは鶴瓶がとてもチャーミングに鉄郎を演じてくれていたことと、加藤治子とキムラ緑子の絶妙のバイプレーヤーぶりです。私は山田洋次は好きな作品もあり、嫌いな作品もあり、それほどたくさん観込んでいる監督ではありません。でもこの作品は、名匠と言われる人が脚本も監督も担当している作品だとは思えないほど、個人的には愛嬌の欠片もないトンデモでした。次回はもっと素敵な吉永小百合が観たいです。

01月31日(日)
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