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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「カラオケ行こ!」
名作のお陰か、ナイスは哲学的言葉が出る映画部の友人君から、「愛は与えるもんらしいで」と聞いた聡実くん。母(坂井真紀)が、鮭の皮だけ剥いで、父にあげるのを観て、目を見張る。私も目を見張る。何故なら私も鮭の皮が好きなので(塩焼きよりムニエルが美味。タラの皮も好き)。でもうちの夫はくれませんよ。そんなもん食うなと言う。私はケンタッキーフライドチキンの骨も大好きなんですが、夫はフライドチキンなら、「お母さん、骨が多いとこ取りや」と必ず選ばせてくれます。それはね、舅もチキンの骨が好きで、バリバリ噛んでたんやって。だから理解の範疇な訳。でも鮭の皮は範疇外。坂井真紀も範疇外だと思いますが、夫にあげるのよね。理解出来なくてもあげる。これこそ愛じゃござませんか?鮭の皮一枚は、ユーモアポイントだけではなく、真実も突いてるのね。
いつもフレンドリーで保護者のような狂児に対して、段々心を開いていく聡実くん。聡実くんが思春期らしい感情の起伏を見せる時でも、狂児は深追いしません。「お前ら、やっぱりやくざや!」と、組長のパーティーで、強面のオジサンばっかりの中、狂児を想い啖呵を切る聡実くん。ここまで、待って待ってやっと聞ける聡実くんの熱唱は、やっぱりあの曲。思わず目頭が熱くなりました。その後の展開は予想通りでしたが、狂児を思う聡実くんの心に、それでも泣けました。二人のキャラと交流を、丁寧に紡いできたのでね、とにかく感情が盛り上がるシーンで秀逸です。
問題点としては、やくざがこんな良い人でいいのかと。若い子が誤解したら、あかんがなという点ですかね?そのための切った小指や、イカレたシャブ中の登場なんでしょうが、その点を踏まえて、もうちょっと怖く描いてもいいかなと思います。
とにかく齋藤潤くんがいい!賢くてちょっとシニカル、でもやっぱり根は純真な聡実くんを演じて、出色の演技。ビリングトップの綾野剛ですが、この作品は中学生が主役を心得ていて、潤くんを生かす演技に終始していて、とても良かったです。綾野剛は好きでも嫌いでもなかったですが、愛してしまいそうなくらい、良かったです。
思春期前半を卒業して、後半開始の前の、宴のような出来事を、「幻」と表現するなんて、粋やねぇと感心していたら、なんや、あの蛇足のオーラス!。しかし原作コミックで「ファミレス行こ!」という続編があるんですって。次を作る布石かも?続編出るまでに「紅」が歌えるようになろうと誓う、私なのでした(笑)。
01月27日(土)
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