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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「明日の食卓」
あすみの夫は、妻子より姑優先の人です。これは私の夫もそうです。自分の実家はおろか、何なら妻子より友人知人を優先されました(今でも恨んでるよ)。夫、父と言うだけで、そんなに偉いのか?実家が一番だったあすみの夫は、自分の母親の奇行の原因を見過ごし、涙ながらに「母さん、ごめんな」と謝ります。これは結婚しても、妻子を一番に出来ない男は、どちらにも中途半端だと言う事です。

彼らは会心したと思いたい。夫を支えているのが妻なら、妻を支えるのも夫だから。子育てのパートナーである父親には、しっかり家庭に向き合って欲しいから。

夫のいない加奈が苦境の時助けてくれたのは、実の母(烏丸せつこ)。同じく貧困に喘ぎ、彼女が子供の頃は決して良き母ではなかったでしょう。でもあの通帳は、娘への母のありったけの愛です。

四番目の石橋ユウの母(大島優子)の吐露に、留美子は、あれは私だったかも知れないと思う。私も同じことを思いました。四人とも、身体のどこを切り取っても、子供への愛が迸る、そんな普通のお母さんたち。思春期の入り口に立った、難しい年頃の息子たちへ、あなたを愛している、あなたがいない生活は、お母さんには考えられないとぶつかり合い和解する様子に、また号泣しました。

私が長男を産んで直ぐの時、この子は昨日今日私の元に来たのに、どうして私の人生の最初から居たような感情に包まれるのかが、自分で不思議でした。子供を生き甲斐にするのは駄目ですが、私は子育てを生き甲斐にするのは、良い事だと思っている。子育てなら、何時か終わりが来るから。この作品を観て、子育ての終わった私たち世代が、温かく現役のお母さんたちを見守ってあげなくちゃと、痛感しました。女性たちが、まだまだ悪しき呪縛や洗脳で苦しんでいるのなら、そこから解くのも私たち世代。私も出来る事がいっぱいありそうです。

06月09日(水)
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