ID:10442
ケイケイの映画日記
by ケイケイ
[927341hit]
■「運び屋」
「ギルティ!」と叫ぶアールの、その言葉の意味は、麻薬を運んだ事ではなく、夫・父としての自分は有罪だと言う意味だと思いました。その心が娘の届いたから、「パパ愛しているわ」と言う言葉を、引き出したのでしょう。
思えばイーストウッドも何回も結婚離婚を繰り返し、愛人だったソンドラ・ロックにまで訴えられていましたっけ。実娘のアリソンに、実生活をだぶらせる役を宛がうのは、素のイーストウッドの、アリソンに対する侘びにも感じるのです。
妻の誕生日を忘れたブラッドリーに、二度と忘れちゃダメだ。俺のようになると、自嘲気味に語るアール。私の父は五回の結婚と四回の離婚を繰り返した、子供にとって迷惑きわまりない父です。そのお陰で、母親の異なる7人の子供のうち、行き来があるのは、私と現在の妻との間にいる娘だけ。その父が、私に幾度となく私の語るのが、「お父ちゃんは、お金さえ稼げばええと思っていた。金を稼いでいるんやから、何をしても許されると思ってたんや。でもそれは間違っていたと、今後悔している」。この言葉が聞けて、私は父を見限らないで良かったと、心から思います。
私の親父そっくりなアールが、現在少々家族疲れしている私に、活を入れてくれた作品。男女ともしっかり、イーストウッドのメッセージを受け取りたいですね。
03月14日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る