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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「生きてるだけで、愛」
そして菅田将暉。台詞はほとんど抑揚なく、目も死んでいるような津奈木は、当初は寧子の保護者のように見えたのに、ラストは完全に恋人同士に感じました。大熱演の趣里を向うに廻し、終始受身の演技でしたが、これがまた、彼の新境地を見せられたようで、こちらも手放しの絶賛です。

寧子は、病識はあるようでしたが、安定剤は市販のものでした。病院に通っている様子はなし。是非病院で診て貰って欲しいと思います。そして、いきなり普通のところに就労しなくていいんだよ。ハードルを低くして、デイケアでも作業所でも良し、体調に無理のないところで、働いて欲しいと思いました。それが乏しい私の知識での願いです。

私が精神科の医療事務をして、初めてのクリスマス。デイケアでのクリスマスケーキをお相伴に預かっている時、一人の患者さんが、先生のところに連れて来られました。「幻聴が、窓から飛び降りろと言うねん」と、怖くて泣いているのです。さぞ怖いだろと、咄嗟に理解出来たことで、私の患者さんへの視点は、定まった様に思います。とてもとても面倒臭く、腹ただしい(何度でも書くぞ)彼女たちですが、この作品、本当にありのままを描いています。津奈木にならなくてもいいから(私だってなれない)、ちょびっと理解して貰えたら、嬉しいなぁと思います。

11月18日(日)
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