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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「バトル・オブ・ザ・セクシーズ 」
どちらが勝ったのかは、知らなかったので、結構手に汗握りました。終わった後、誰にも知られないように咽び泣くビリーに、貰い泣きしました。もう感情をコントロールする必要はなく、吐き出しているのです。尊厳を勝ち取ろうとするパイオニアは、一身に背負った肩の荷を降ろしたのでしょう。この人たちを、本当の孤独にしては、いけないのです。

ビリーと夫、ボビーとプリシラ。二組のカップルのその後が素敵です。各々「ねばならない」と言う呪縛や、「男の沽券」から自由となり、間柄を再構築させています。女性の解放は、男性を苦しめるプレッシャーからの開放にもなるのだと、痛感しました。

エマは顔の半分が目じゃないかと思うくらい、大きな目が印象的ですが、めがねを掛けると、この役にはちょうどいい塩梅(笑)。短くしたヘアは良く似合っており、知的でホットなビリーを好演。カレルは、こんな役やらせたら、もう最高!愛嬌と哀愁を共存させ、常に軽躁状態のようのボビーを好演。悪役ながら、それはフェイクと思わせたのは、彼の名演技のお陰です。地味ですが、マリリン役のアンドレアは、とても演技巧者で、私は大好きです。。女性の名バイプレーヤーで、私はローラ・リニーの立ち居地を継ぐのは、彼女だと思っています。今回も芯は強いのに、ふわっと軽やか、ビリーのために自分は何が出来るのか?と思慮深い女性を演じて、すごく良かったです。

ハリウッドの男女の賃金格差、「me too」運動の是非など、女性を取り巻く環境はまだまだ男女対等とは言えません。でも少しずつ、時代は動いている。あのクリス・エバートが、インタビューでこの対戦はボビーが勝つと予想をしているのを観て、当時なら私もそう答えたろうな、と思いました。でも今なら、絶対ビリーに勝ってほしい!と、答えます。この40年が、私を少しずつ変えたのです。男女とも、手を携えて世の中を変えて行かねば。フェミニズムの敵は、決して男性全てではありません。

07月16日(月)
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