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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「シェイプ・オブ・ウォーター」
マイケル・シャノンは、傲慢でサディストの役柄を魅力的に好演。質素でも心の豊かさの感じられる、イライザたちの暮らしぶりに比べ、砂糖菓子のようなストリックスの家庭。子供に愛情を示さない父。ルーティーンで父を労う息子。夫の指が縫合手術直後と言うのに、セックスをねだるブロンドの妻。心ここにあらずで、妻を抱く夫。愛情の見受けられない家庭は、幸せ=結婚生活だと言う価値観に、疑問を呈していると思いました。私は「テイク・シェルター」の、良き家庭人から、段々心を病んでいく彼が好きなのですが、今回のような癖のある役柄の彼も好き。きっとハリウッドで名を残す俳優となると思います。
その他オクタヴィアは、もうハリウッドのおっかさんだなぁと、感慨深かったです。ふくよかな黒人女性である事を武器に、情に熱い中年女性を演じて、抜群の安定感です。
とまぁ、大好きな作品である事は間違いないのですが、個人的に「スリー・ビルボード」の方が、作品賞には相応しいと思う事と、今回のオスカーは、メキシコ擁護が鼻についたので、めでたさも中くらい」との感情が残りました。まっ、ちっさな事です。
一番好きなシーンは、浴室を水でいっぱいにしながら、2人が抱き合うシーン。幻想的で美しい数々のシーンは、現実を映す暴力場面との対比にもなっていると思います。公開する劇場も、オスカー受賞で増えると思いますので、どうぞ楽しみにして下さい。
03月11日(日)
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