ID:10442
ケイケイの映画日記
by ケイケイ
[927429hit]
■「ブラインド・マッサージ」
ろくでなしの弟の借金の督促が、両親や自分にまで及んだワン。目の見えない彼が、海千山千のやくざを追い返します。腹の据わった方法で、暴力には暴力で返す。流血しているワンが、両親に「ごめんよ」と謝ったのです。こんな方法しかなくて、親に辛い思いをさせたと思っているのです。親は親で、「何を言うの。謝るのは私たちの方だ」と、泣いています。きっと幼い頃は、ワンの目が見えるように奔走したのでしょう。その後も一人で生きていけるよう、手を尽くし見守っていたはず。ワンは、今までの親の愛情に感謝しているのでしょう。この麗しい姿に、涙がいっぱい出ました。
盲目の立派な兄。目の見える不肖の弟。盲目だから、目に見えない大事なものがわかるのでしょう。
波乱に満ちた道程を辿る、マッサージ院の人々。ラストにシャオマーのぼやけた視界に映ったのは、にっこり彼に微笑む「神様」でした。神様が下界に下りて、シャオマーの手を取ったのか?いいえ、この「神様」は、自分が不完全な人間だと、知っているのです。完全無欠な人など、この世にはいない。みんなが不完全な自分を認めること。これだけで、障碍者を取り巻く環境は、変化すると思います。
大事な事は、目に見えない。「星の王子さま」で出てくる言葉が、目の前で繰り広げられるお話でした。
02月25日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る