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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「この世界の片隅に」
一つだけわからないは、幼馴染の哲が、すずを訪問した時、周作が母屋の鍵を閉め、すずと哲だけ二人切りの時間を作った事。あれは妻を試したのでしょうか?それとも、お手伝いさん代わりのように、かっさらってきた、若い妻への詫びでしょうか?でもそれで間違いが起ったら、どうしたんだろう?哲のすずへの行動も、私がすずなら、バカにされたと思います。すずにもその感情があったと思う。そうさせる状況を作る周作への怒りも。男って自分の思いだけで、女の気持ちは無視するのは、戦争中も今も関係ない訳ですね(笑)。
大人しくいい人ばかりの中、異彩を放っていたのが、気が強く率直な物言いをし、当時珍しかったであろう、自我の強さを持っていた径子。私は好ましく観ていましたが、観客もそうだったと思います。そんな彼女が、「私は全部人生は自分で決めてきた。だから納得出来る。でもあんたは、親に言われて広島から呉まで嫁にきて、自分では何一つ決める事が許されなかった。私はあんたが哀れだ。この家に居たければ、居ていいんだよ」と言った時、あっ!と思いました。それってすずに限らず、市井の人々の事なんですよね。
今は当時とは違います。人々よ、確立した自我を持て。そういう事かしら?この作品からメッセージを受け取るなら、ここかと思いました。
私が観た回も、立ち見が出ていました。現在全国で続々と上映館が増えているそうな。世代で違った視点が出そうな作品。私は自分の疑問を解くためにも、名作の誉れ高い原作も読みたいと思っています。
11月27日(日)
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