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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「後妻業の女」
ハセキョーは、「私らがお父さんをもっと構っていたら、こんな事にはならへんかったんと違うやろか?」と言います。ありがとうね、そこに気が向いてくれて。でも断言できる。娘がしょっちゅう構っても、お父さんは女の尻を追いかけます(笑)。だって子供には子供の人生があり、自分だけを見つめてはくれない。お父さんは自分だけを見つめて歩いてくれる、パートナーが欲しかったのよ。これは女性の高齢者でも同じじゃないでしょうか?小夜子は言います「あんたのお父さん、死ぬ前にええ気分にさせてやったん、私やんか。お金貰って、何があかんの?」。これが全財産ではなく、小金であったら、小夜子の言い分は正しいと思う。
ただ痛快から爽快にならなかったのは、やっぱり殺人があったから。脚色の段階で、変更してほしかったです。小夜子と次女のキャッとファイト場面も、もっと過激にして欲しかった。小夜子みたいな体張って生きてきた女は、自分に逆らうものには、あんなもんじゃないはず。
大竹しのぶが絶品。この年代の熟年女優は、風吹ジュンに高橋恵子、そして松阪慶子。少し下は黒木瞳に賀来千賀子と、まさに百花繚乱状態ですが、表の小夜子はともかく、裏の小夜子の凄みを出せるのは、多分大竹しのぶしかいません。トヨエツも胡散臭い金の亡者で、育ちの悪さ全開ながら、愛嬌たっぷりに柏木を好演。女に対するだらしなさは、あれは一生やな。そのうち小夜子みたいな女に引っかかるって(笑)。
ラストは否の感想が多いみたいですが、私は可。親指立てた柏木の満面の笑みに免じて、許そうじゃないか。ただしもう人は殺さんといてね。
小夜子63歳まで、たっぷり時間があるので、私も一つ、老け込まないように頑張りたいと思います。夫を見送った折には、男の一人も騙してみたいじゃ、ございませんか?(笑)。
08月29日(月)
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