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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ハニートラップ 大統領になり損ねた男」
途中で何やらセックスや権力について、哲学的なデヴローの自問自答的独白がありますが、全部忘れちゃった(笑)。私がバカなのか、元々空虚なもんなのか、多分その両方なんでしょう。対する妻の「愛の反対側には何があると思う?憎しみではなく無関心なのよ」には、激しく同意。憎んでいる間は、まだ愛しているのよ。「あなたは私に感謝している?」も、うんうんと肯く私。何度もお為ごかしの感謝はしていたけど、妻の鋭い視線から見ると、反論なんかしちゃって、全然反省してないもん。妻の願いの精神科医の治療にも消極的だしね。自分でセックス依存症と言うので、病識があるのかと思っていたら、全然ないわけ。だったら、軽々しく依存症だと叫ぶのは、不遜ってもんですよ。
あの訳のわからん独白も、妻の一刀両断を際立たせるためのもんだったんでしょう。ラストは、夫婦とも「呪縛」から解放される予感を映していました。
名優ドパルドューは絶対痩せるべき。あのままだと生命の危機ですよ。演技がどうのこうの言う前に観客がそこに思考が行ってしまうのは、俳優として如何なもんかと。もちろん演技は悪くはなかったです。
で、ビセットです。本物の「元」妻(映画と同じでこの事件の後離婚)アンヌ・サンクレールがショートカットなのを受けて、多分ウィッグ使用でのヘアスタイルは、若々しくとても似合っていて、「ドミノ」の時より若返ったくらい。相変わらずスタイル良くて、少し膝の見えるタイトスカート姿が素敵です。猛女っぽく演じていないので、返って妻の嘆きが手に取るように伝わってきました。最初この役は、イザベル・アジャー二にオファーがあり、断ったアジャ-二に代わりビセットの期用とか。夫婦役としての相性は、ビセットの方が良かった気がします。

一般的に記憶に残るビセットの容姿は、こんな感じかな?本当に綺麗ですよね。知的でエレガンス、そして暖かみのある美貌であるのが彼女の魅力です。もっとガツガツ仕事をすれば、現在のシャーロット・ランプリング的な立ち位置も可能かと思いますが、ああいう凄みと言うか怖さがないから、ダメかな?(笑)。今も昔も、そういうおっとりとしたところが、大好きです。若い時分はバカスカ脱いで、何でこんな作品に出てるんだろう?と、謎の作品選びもありましたが、それでもノーブルな印象が変わらないのは、御本人の人柄が滲んでいるからだと思います。ちょっと毒のある可愛いお婆ちゃん役は、現在シャーリー・マクレーンの独壇場ですが、ビセットが代われないんもんかしら?これも毒が無いからダメかも?(笑)。恋する彼女を、もう一度観たいな.
03月29日(日)
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