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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「アメリカン・スナイパー」
ブラッドリーはプロデューサーも兼ね、イーストウッドの監督を熱望したそう。かなりウェイトを増やし、屈強なシールズになり切っていました。クリスの心の感情をとても誠実に熱演。シエナは気丈で賢い妻を好演。「俺が死んだら」の台詞も、この妻なら立派に子供を育ててくれると言う信頼感が言わせたものです。そういう妻を、男性関係が派手で、そのせいでキャリアを躓かせたシエナが好演とは、感慨深いものがありました。「フォックス・キャッチャー」でも明るく可愛い奥さんぶりが印象的だったシエナ。これからの彼女に期待したいです。

その他のキャストは、地味な配役ばかりでしたが、それは意図したものでしょう。アメリカ人に圧倒的に支持されたのは、クリス・カイルに自分自身、あるいは夫・息子・隣人が重なる。伝説のスナイパーであるはずが、アメリカ人がすぐ想起出来る「誰かに似た人」であった事でしょう。そこにイーストウッドの非凡な演出力があるのだと思います。

クリスが亡くなった事は知っていましたが、あんな亡くなり方だったとは。これも戦死だと思いました。死ぬ前に束の間でも、平穏な家庭生活を送った事は、彼にも妻子にも、せめてもの救いだと思いたい。好戦でも反戦でもないと書きましたが、個人的にはやはり反戦映画だと思います。

03月01日(日)
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