ID:10442
ケイケイの映画日記
by ケイケイ
[927635hit]

■「さよなら歌舞伎町」
AVの仕事を隠れてする妹に「お前、これが初めて(のセックス)か?」と尋ね、「違う」と言われて安堵する徹。「好きな人とやったことがないから、今したい」と正志に言う雛子。本気でヘナに惚れた客の村上淳が、「女の人に香水なんか買ったことがなかったから、選ぶのが楽しかった」と、ヘナに渡したプレゼントなど、陳腐かも知れないけど、私は愛のあるセックスがやっぱり一番だと思う。そうだよ、枕営業くらいなんだよ、許してやれよ、徹!。

前田敦子が出ているので、何とか15Rにしたのでしょう。イ・ウンウや河合青葉、徹の妹役の樋井明日香たちが体張って好演しているので、あっちゃんは少し分が悪かったかも?でも華奢で愛らしいだけではない、女の狡さも出ていたと思いますので、良しとしよう。

たった一つ不満だったのが、震災の事の描き方。徹の実家は震災に合ったと言う設定で、その為学費を払うのに、妹はAVで稼いでいると言う設定です。健気で感心していたら、「前は(安い)ユニクロで買うにも躊躇したけど、今は1万や2万、服にお金払うのも平気」と言うセリフが飛び出します。私は被災者ではないけど、ユニクロは別段安いと思いませんけど?

品質に比べたらお得感があるだけで、ユニクロを買うのは期間限定品だけです。私はお金持ちじゃないけど、世の中被災者でなくても、ユニクロも買えない人はいっぱいいますよ。ここは震災ではなく、どんどん広がる経済格差を訴える設定にした方が良かったと思います。このユニクロ発言で、震災の設定が取ってつけたように感じ、損に思いました。

とまぁ、これも好きな作品なので、惜しい!と言う気持ちが残り、ちょっと書きたくなりました。生々しいセックスシーンも多いですが、薄汚さもないかわりに、透明感もなく、ちょうど良い塩梅に仕上がっています。だから登場人物の気持ちが、手に取るように伝わってきたのだと思います。

会うは別れの始まり。でも別れたくなくて、必死で繋ぎ止めようとする人もいる。罪でも無様でもみっともなくても、それが愛なんだよと思わせるラストシーンがいいです。気持ちよく鑑賞を終えられました。

02月08日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る